ゴミのように使い捨てられていく鋼鉄聖闘士にも個々人の思いがあるのだ、と確認するエピソード。
敵の最下級にも勝てない鋼鉄に存在意義があるのかと悩んだり、いろいろとぶっちゃけすぎな展開ではあった。しかし、つらい過去をかかえつつひょうひょうと戦うケリー先輩と、鬱屈をかかえた少女エマを対比して、うまく鋼鉄内部にも温度差があることを表現し、ひとりひとりに大切な固有の生があるのだと感じさせてくれた。
他のキャラクターをしぼっていたのも良かった。努力ではいあがった蒼摩と、鋼鉄ながら主人公のそばで戦う昴、無数の蜂をしたがえる敵ロゲ……どれも名もなき鋼鉄聖闘士と対照的な立ち位置なので、話の流れに無理がない。
絵コンテで持丸タカユキが初参加。しんぼたくろうと高瀬健一が作画監督をつとめる中村プロ回で、普段より作画リソースに余裕があるところ、存分に使い切っていた。