法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略』

7月15日いっぱいまで、映画1作目の『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵*1とあわせてGYAO!で無料配信中。
http://gyao.yahoo.co.jp/p/01071/v00003/
主人公が1作目の結末で沈んだ状態から再起する序盤から、難攻不落のドルドレイ城を攻略する中盤と、主人公が去ることで仲間のきずいた栄光が瓦解する終盤まで、約1時間半の尺で高密度に描く。


このエピソードではファンタジー要素が物語にからまないこともあって、中世欧州風の架空地域を舞台とした国盗り物語として、単独で楽しむことができた。同時に原作の別エピソードで登場するキャラクターを各所で顔見せさせ、ファンサービスも忘れていない。
1作目の経験をいかしたのだろう、細かく使用されている3DCGも、さらに自然に映像世界へなじんでいた。1作目ではトゥーンシェイドして軽い印象だった鎧も、グラデーションある影を落とし、ある程度まで汚したりもして、ぐっと質感があがっている。3DCGは宮中の華美な服飾にも活用された。台詞なしで舞踏会描写を映像として成立させるためには、まだ力不足とは感じたが、耐えられないほどひどかったわけでもない。


しかし、陰毛も乳首も見せて、性交もかなり長く描写しているのに、配信に制限がないことは少し気にかかった。映画館ではPG-12で上映されていたはずなのだが。
ただ、ひとまとめにして見ると、序盤中盤終盤でえがかれる三者三様の失敗が、どれも後先を考えず性欲を表出させた結果だったことに気づかされた。この物語は、血と死と泥にまみれた俗悪な語り口のようでいて、一方的な性欲を一貫して否定的に描いている。愚直なまでに真摯に。