法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ガサラキ』はとてもとても面白いのだが?

まとめでは不評らしい平安編も、曲調から映像まで一新したOPとEDからして絶品で、まとまりある短編伝奇アニメとして完成度が高い。鬼と皇をめぐる内裏の抗争劇を、モノクロに近い色調でじっくりと間をとって描いた。絵コンテを手がけた望月智充のうまさが出ていたと思う。
元々は"「萌えキャラ批判しかしない自称硬派()はまずガサラキを借りてきてお前の妄想を実際に映像化したときの面白くなさを噛み締めるといいよ」反応まとめ"だったよ - Togetter
むしろ表層的な萌えキャラやロボットアクションを投入してフックを作っておきながら、多くの視聴者が持っていた「お前の妄想」を凌駕しすぎてしまって、物語が進行するにつれてふりおとしていった作品と考えるべき。そこが『FLAG』の、最初から必要最小限の設定にしぼり、さらに斬新な表現手法で視聴者を選びぬいたのと異なるところ。
いっそ『ガサラキ』も最初から、ロボットアクションや萌えキャラ*1の出番を減らして、オムニバス調の伝奇アニメとして制作すれば、ずっと完成度は高くなったかもしれない。実際、各時代の「ガサラ鬼」を物語っていったマンガ版は、TVアニメ版の魅力を多くスポイルしながら、話のまとまりは良かったし結末も納得がいった。

*1:西田啓をふくむ。