法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ひっこし地図でおひっこし/かがみでコマーシャル

今回は原作にある二本立て。町の区画を自分好みに作り変える前半と、町の裏通りのさびれた和菓子屋を助ける後半と。
どちらも作画が整っていて柔らかく動く上に、予想外に背景美術が緻密で良かった*1。町並みが物語の舞台として重要だからだろう。
それと次回予告によると、来週に映画の映像が公開されるとのこと。


「ひっこし地図でおひっこし」はパーツ化された地図を貼り変えることで、意図した通りに区画を作り変える秘密道具が登場。変化しつづける区画を正確なパースで構成していて、路地をとおると風景が一変する驚きに共感できた。だから右往左往するママの迷走にも違和感ない。風景をデフォルメするからこそ、リアリティが基礎として重要になる。
スネ夫ジャイアンが参加したり、世界地図まで登場するのはアニメスタッフのアレンジだが、短めの原作をひきのばす手法としては悪くない。


「かがみでコマーシャル」はサブタイトル通り、周辺の鏡が同じ光景を映すようになる秘密道具を使って、コマーシャル活動をしようとする。和菓子屋の内部や和菓子がリアルなだけでなく、先に営業して断られた各店舗もそれらしい。実景を参考にしたのかもしれない。
さまざまな場所の鏡に映りこむだけの原作と違って、断られた各店舗の窓に映りこむのも良いアレンジ。先にコマーシャルを押し売りされかけた上、ところかまわずコマーシャルされることで、人々が迷惑だと怒る展開がより自然になった。さらにコマーシャルが映りこむ鏡の伏線となりつつ、背景美術が使いまわせるわけで、一石三鳥だ。

*1:だが、録画で失敗して低画質状態で視聴するしかなかった。あまりテーマ性の強い回ではないので、再放送は期待できなさそう。