法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第10話 大宇宙の墓場

ワープ中の異常事態で次元のはざまにとりこまれてしまったヤマト。エネルギーを補給できず、手をこまねくしかない乗組員。しかし、そこには先にとりこまれていたガミラス艦がいた。


戦争ドラマで定石的な呉越同舟プロット。前回の問題提起を受けて「人間」同士で信頼することの難しさを描きつつ、立場や思惑による温度差を敵側で描き、しこりをヤマト側に残して次回以降へ続く。
特筆するほどの独自性はないが、展開がていねい。ちゃんと信頼をえるために敵は手札を活用し、ヤマトの内と外で関係が破綻しそうな緊張感が続く。脱出しても準備万端の敵艦隊が登場し、たたみかけてくる。
せっかく絶体絶命の状況で敵艦隊が登場したのだから、機転で切り抜けずに正面から激突しても面白かったかもしれない。もちろん、今後の話でそうした状況が描かれるだろうと期待している。今回は今回で充分に楽しめた。


作画監督川元利浩で、金子秀一が演出。ボンズ制作協力回らしく、普段よりもさらに立体感ある生き生きした作画が楽しめた。絵コンテはGONZO作品で腕をふるっていた千明孝一監督。
ちなみに川元利浩OVA『ザ・コクピット』で松本零士作品のアニメ作画を手がけ、いくつかの『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのビデオジャケットで松本零士調のイラストを描いていた。
もちろん今回は『2199』のデザインに合わせて作画しているが、さすがの完成度。敵味方の女性キャラが骨格レベルで描き分けられ、ガミラス側のオヤジキャラも実にいい顔。