法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

年齢申告の見かけのゆらぎについて

id:mujin氏がまとめた下記Togetterでは、「数え年」と「満年齢」のゆらぎで慰安婦証言の説明がつくと指摘されている。
従軍慰安婦の証言を聞くときには「数え年」にご注意 - Togetter

1925年 数え 1歳 誕生(満0歳)
1938年 数え14歳 慰安婦に徴用される(満12〜13歳)
           数え8年間(満6〜7年)勤務
1945年 数え21歳 終戦を迎える(満19歳)
2005年 数え81歳 第16軍名簿が発見される(満79歳)
2013年 数え89歳 沖縄タイムス記事(満87歳)

そもそも、メディアが掲載した間接的な情報である以上、本人の証言にゆらぎがあると断言できるわけですらない。メディア上で主張が齟齬している責任を証言者に全て負わせることができるならば、それこそ本人が提示した文章ですらゆらいでいる橋下徹市長はどうなるのだろう。
くわえて、戦前生まれの人間は、生年月日の正確さを現在ほどには要求されず育っているものだ。日本の有名人でいうと、手塚治虫は生前に実際とは異なる生年月日を公開しており、没後にはじめて正確な年齢が判明した。歴史研究でも、保阪正康『知らないと恥ずかしい! 日本の戦争 常識のウソ』において、元日本軍人の証言を収集した時に8割は誤った記憶で語っていたことや、新聞に掲載された証言が生年と齟齬をきたしたことが指摘されていた*1