法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

文脈非依存で判断と主張しながら、文脈に基づいて判断する謎

フィフィ氏の子供を持ち出して金明秀教授が脅迫したという風説は、すでに[twitter:@Fumiaki_Taka]氏が反論している。
金明秀先生がフィフィさんの子どもを持ちだして脅したという嘘 | Accipiter
上記エントリで指摘されているように、金教授は特定の学校ではなく外国人学校一覧を示しただけであったし、フィフィ氏自身も子供の話を自説の補強として持ち出していた。


しかし、文脈を抜きにすることで金教授が誤ったという意見がある。金教授とツイートをかわして、下記Togetterを自らまとめた[twitter:@Kelangdbn]氏の主張だ。
「フィフィ vs. 金明秀」騒動をレビューする ~ 「あなたのお子さんが…」発言を巡って - Togetter

「文脈非依存にアウト」と当初に主張しながら、途中から「一般に対立する2者があって」という文脈を採用していることに無自覚らしい。子供の話を問いかけたツイートに対して、「ぎょっとする」と判断できるのは、両者が対立しているという文脈を知りつつ、親側が先に子供の情報を出したという文脈から目を閉じる時にのみ成立する。
Kelangdbn氏は当初の主張を続けたいならば、たとえば弁護士が依頼人へ説明する場面や、教師が学生に尋ねる場面も、アウトと主張できなければならない。


しかもKelangdbn氏はTogetter冒頭の説明文で、「参考サイト」として「ニュースの社会科学的な裏側」をあげている*1

朝鮮学校に限らず外国人学校が就学支援金を受けていることは客観事実( http://p.tl/jgZA )であり、
@han_org教授の主張内容自体は妥当だがその方法に問題はなかったか?


参考サイト: 「ニュースの社会科学的な裏側」
http://www.anlyznews.com/2013/04/by.html
http://www.anlyznews.com/2013/04/vs.html

まず下に張られている4月23日のエントリは、フィフィ氏のツイートだけに基づいて判断しているためか、金教授の主張を誤読している。

「外国人が生活保護を受けること自体が不自然」などを主張しているエジプト人タレントのフィフィ氏に対して、関西学院大学の金明秀教授が「サイッテーやな、フィフィ。以後は手加減しないよ」「そろそろ自分が口にした愚かしい発言に対しては自分が尻拭いをしなければならないという基本原理を覚えてはどうかな」と抗議(?)している。日本には言論の自由はあるので、是非はともかくフィフィ氏の主張は許容範囲なのだが、金明秀氏の言い方は言論の範疇なのであろうか?

フィフィ氏が誤ったツイートを何度も投下しては削除をくりかえし、その削除が圧力によるものとにおわせていたことに対して金教授は「サイッテー」と評価したのだし、その時のやりとりを年をまたいで圧力の証拠であるかのように持ち出したから「自分が尻拭い」するようにと批判したのだ*2
4月25日のエントリも同じ誤りに基づいている上、フィフィ氏が自身の子供を主張で持ち出していたことに言及せず、下記のようにさらなる誤りをおかしている。

フィフィ氏が就学支援金の支給で、子どもを通じて個人的な利益を得ているか否かは議論に関係ない。学校に支給されるから、保護者にとっては認識も薄く、混乱を招く。

つまるところKelangdbn氏は、フィフィ氏の主張した文脈に依存したエントリの文脈に依存して主張しているにすぎない。

*1:Fumiaki_Taka氏のエントリを指摘するツイート等もTogetterにまとめているが、参考サイトに加えるどころか、直接の返答すらしていない。https://twitter.com/neko_yamashita/status/327590114635182081

*2:http://matome.naver.jp/odai/2136676914522300501で経緯がまとめられている。