法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『土曜プレミアム・世界法廷ミステリー〜暴かれた仮面〜』

海外で話題となった複数の事件を、公開されている法廷映像を素材にしてドラマ化し、裁判の進展をゲストタレントに推理させる趣向のバラエティ番組。フジテレビ系列の土曜プレミアム枠で放映された。
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2013/130125-029.html

(1)逆襲の天才ストーカー裁判

事件概要
1995年、米・ジョージア州で、キャビンアテンダントが自宅で絞殺された。息子も18カ所刺されたが一命はとりとめた。警察は被害者のルームメイトをストーカーしていた男の犯行と見て逮捕。が、ストーカー罪で起訴することしかできなかった。その後、遺体に付いていた毛髪が被告のものだと判明し、再逮捕。
法廷
この法廷では、前代未聞、被告自らが「弁護人」となり、無罪を主張。被告がストーカーをしていたルームメイトも「証人」として法廷に登場。検察が次々に繰り出す、証拠の数々。法廷内での応酬は!?果たして、裁判の結末は!?わずか16歳で名門大学に合格するなど、“天才児”と呼ばれていた被告はなぜ、自ら「弁護人」となったのか!?そこには、約15年もの歳月をかけて、被告が仕掛けた、驚くべき“ワナ”があった。


(2)狂気のカリスマ音楽界の巨匠裁判

事件概要
2003年、米・ロサンゼルスで、ある女優が銃を口にあて発砲、死亡したと警察に通報があった。彼女が死亡したのは、世界の音楽界で大成功をおさめたプロデューサーの“城”と呼ばれる自宅だった。その後、プロデューサーは殺人の容疑で逮捕された。
法廷
この法廷では、“自殺”か、“殺人”かが争点となった。意外な人物が証言台に立つ。そして、約700点にも及ぶ証拠品。その中にあった、ある1枚の写真が判決を左右する決定的なものとなった。その写真に写っていたものとは!?音楽界の巨匠は、女優を殺害したのか?それとも、女優自らが生命を断ったのか?


(3)エリート不倫裁判

事件概要
2010年、米・ジョージア州、あるエリート男性が至近距離から射殺された。逮捕されたのは、被害者の妻が働く職場の上司。妻と上司は不倫関係にあり、夫が邪魔になったための犯行と、全米のマスコミが注目した。
法廷
この法廷での焦点は、被告と妻の不倫関係に集中した。被告の弁護士は、被告が妻に洗 脳されたとして無罪を主張。しかし、そんな中、検察には陪審員をもけむに巻く“奇策”があった。犯人しか知り得ない証言も飛び出す。法廷で暴かれる、大どんでん返しとは!?

ただ、番組で描かれた範囲では、有罪へ持っていく流れに疑問を感じたりもした。(3)で検察がしかけた「奇策」などについては、日本の司法では行われないという説明も付属していたが。
ミステリの素材としては、(1)が最も興味深かった。ストーカー対象に接近するため、証言者と弁護士が顔を合わせなければならない司法システムを利用する……あまり物語でも前例のない、意外な動機といえるだろう*1

*1:事件を起こすことで会いたい人を呼ぶ動機だけなら、前例が複数ある。