法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『マギ』第15話 カシムの答え

譲歩することによる目前の勝利と、完全な勝利とで革命側の意見が割れ、激しい戦いが始まる。それなりに社会の変革を見せようとする物語なら、避けられない描写である。
王家の責任を追求しようとするカシムの主張も、一つの正論ではある。主人公アリババと対立する相手になったからと、ただ愚かなキャラクター像へ変えたわけではない。初登場時からの一定の一貫性はある。しかし、亡くした家族の思いとか、アリババへ語るべきことを残したまま、人間でなくなったのは残念。もっと掘り下げられたろうに。
あと、個人的な好みとして。裁きを求めるカシムの言葉で群集がゆらぐよりも、熱狂した群集がカシムを無視するほうが、より革命側の分裂と暴走に説得力とやるせなさが生まれたんじゃないかなあ、と思った。