法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』人間貯金箱/誕生!名探偵のび太

今回は前後半ともに原作あり。


Aパートはお年玉が登場する季節ネタ。しかし、お年玉を鏡開きする時期に消費してしまうアレンジは、さすがに無駄づかいが早すぎないか*1。これはギャグとしても、台詞にも違和感ある場面があった。「正月」は一月全体を指すから、お年玉をもらった時期は「元日」というべきだ。
暗証番号をめぐる描写もアニメオリジナル。こちらは展開そのものには違和感なく、アニメ独自の面白味として楽しめた。


Bパートは今年の映画に合わせた原作選定だろう。推理をひらめいた時に「ノビビビーン」と叫ぶ描写はアニメオリジナルで、映画の予告映像でも見られた。さらに原作通りにドラえもんが探偵役を交代した時、「ドラララーン」と叫ぶ。
内容自体は、原作に忠実。緊密な構成を崩さず、ていねいにアニメ化した。名探偵が自分自身を犯人と推理し続ける展開は、かなり本格ミステリらしい趣向だ。さらに探し物について、すぐに返却しなければならないという背景を加えて、説得力をあげていた。
ただ、シャボン玉を飛ばすパイプが、ただのシャボン玉ストローに変更されたのは残念。子供が真似しないための自主規制だろうが、冒頭でシャーロックホームズが推理する場面は原作通りにパイプが登場していたのだから、ここも原作通りにしてほしかった。せめて、原作には出てこないケープをはおっている描写を使って、ケープを放り投げると犯人にかぶさるという機能にするとか……


Perfumeの映画主題歌にあわせてEDも変更。アニメキャラクター化したPerfumeドラえもんたちが歌をくちずさんだりしているが、それほど絵に力は入っていない。

*1:原作の「人間貯金箱製造機」は雑誌4月号に掲載されたらしい。