法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

オスプレイの消火活動報道について

ツイッター等では「テレビでは放送されないんだろうな」*1といった感想が多く見られ、配備する価値を示したと評価されているようだ。しかし報道を見る限り、むしろ米軍基地の問題を示す事例と思える。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20121026-OYS1T00360.htm

 25日午後4時20分頃、米軍キャンプ・ハンセン(沖縄県恩納村など)の演習場内で、山火事が起きているのを恩納村職員が確認した。

 約25分後には、普天間飛行場に配備された新型輸送機MV22オスプレイ1機が飛来し、消火活動を行った=写真、恩納村提供=。訓練以外でのオスプレイの飛行は初めてとみられる。

もちろん、山火事がオスプレイの有用性を示すための意図的な計画ということは考えにくい。火災が演習場内ということから、演習等の米軍活動による偶発的な火災事故なのだろう。
たとえば金武町サイトが公開している米軍関連の山火事情報によると、5年未満で16件も発生している。意図的に起こさずとも、キャンプ・ハンセンでは頻繁に火災が発生しているのだ。ページ内では過去の消火ヘリ出動状態も書かれている。だからといって消火ヘリの存在に感謝する言葉など書かれてはいない。
http://www.town.kin.okinawa.jp/site/htdocs/beigun/kaji.html
実際、同日の山火事を報じている沖縄タイムス記事によると、原因が実弾射撃訓練という発表があったという。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-26_40672

 在沖米軍から沖縄防衛局に入った連絡によると、25日午後、恩納村のキャンプ・ハンセン内の実弾射撃場「レンジ9」付近で山火事が発生し、消火のためCH46ヘリ1機が出動した。同日午後7時半現在、鎮火せず、日没のため消火作業は打ち切られた。

 現場を視察した村職員によるとバケツのようなものをつり下げたオスプレイ1機が、当袋(とうぶくろ)ダムと火災現場を4、5回往復した。消火作業に加わったかは不明。

 防衛局は山火事の原因を実弾射撃訓練と発表したが、詳細や焼失面積は「承知していない」とした。

有用性を示すための陰謀ならば、はっきり「活躍」した情報を公開しただろうし、鎮火に貢献する規模の火災にとどめただろう。沖縄タイムス記事によると、日没前の鎮火は行えなかったようだ。


この沖縄タイムス記事が、2ちゃんねるまとめブログにかかると、下記のようなありさまとなる*2
http://telekakushinews.blog.fc2.com/blog-entry-427.html

45 :名無しさん@13周年:2012/10/26(金) 13:24:10.18 id:BkS04V7D0

一方、沖縄タイムス

現場を視察した村職員によるとバケツのようなものをつり下げた
オスプレイ1機が、当袋(とうぶくろ)ダムと火災現場を4、5回往復した。
消火作業に加わったかは不明。

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-26_40672


消火作業に加わったかは不明。
消火作業に加わったかは不明。
消火作業に加わったかは不明。

この「>>45」以降でまとめられているのは、沖縄タイムスを批判したり嘲笑するような書き込みばかり。沖縄タイムス記事中にも米軍情報公開が不十分と記述されていることを指摘したりはしていない。
ちなみに元スレッドでは、「>>246」が金武町サイトを引いて米軍の問題と疑っていたり、「>>290」以降で地元民と名乗った者による米軍批判が行われたりしている。


そもそも米軍基地問題は、オスプレイという一機種が安全か否かという短期的な問題ではない。米軍基地の存在そのものが問われているのだ。
米軍基地が継続使用される意図が新機種配備で確定したこと、そうした政策の主権が現地から奪われていること、そうした諸々の論点がオスプレイという新機種配備へ集約されたのだ。一機種の安全性や有用性を主張しても批判をくつがえせないと理解するべきだろう。