ひさしぶりのTV放送は、前後半どちらも原作あり。
Aパートは水野宗徳脚本。丸い物を見ると狼化する秘密道具をママが化粧品と間違えて使ってしまい、事態収拾のためドラえもんが右往左往する*1。
ママとドラえもんという原作でもアニメでも珍しい組み合わせの珍道中に加えて、ドラえもんの顔だけでも狼化するというアニメオリジナル描写を足し、よりドラえもんがいじられる楽しい話にしあがっていた。
実は、番組リニューアルをした2005年にも早川正脚本で一度アニメ化しており、その時すでにドラえもんの顔で狼化するオリジナル描写があった。つまり今回のアニメ化は、以前のアニメ化を踏襲した内容ということ。
もともとギャグとして完成度の高い原作に、一つのアイデアをつけくわえてビジュアルで笑いをとった2005年版、そしてアイデアをより強烈に演出した2012年版という違いがあって、比較してみても面白い。個人的には2005年版の、シンプルなビジュアルで笑わせつつ説得力あるアレンジが好きかな。今回のアニメ化も面白いが、やや原作から乖離した三次創作という印象がある。
Bパートは原作者死後に単行本化されたエピソードのアニメ化。午前と午後を入力ミスして起こる珍道中。寝ている部屋へストーカー状態で入り込んだ相手に対して、しずちゃんの見せる優しさと可憐さが一服の清涼剤。
アニメ演出として、うまくスケジュール通りにいった時のイメージ映像が、絵本のような作画で面白かった。
タイムスケジュールを機械的に強制する秘密道具へ間違って入力してしまうエピソードとして、「スケジュールどけい」が原作者生前の単行本に収録されている。そちらは今回のAパートと同じく、ドラえもんが秘密道具にふりまわされるエピソードで、たいへん面白かった。今回にアニメ化すると統一感が出て良いとも思ったのだが。