法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トータル・イクリプス』の中盤を見るにつけ

やはり、第1話と第2話の延長線で、TVアニメ版オリジナルのエログロ帝国華撃団を展開するべきだった。第13話のアバンタイトルで過去を回想していた描写を見て、つくづく思う。
メインキャラクターが殺せないため、本編に入ってから緊張感がそがれることはなはだしい。これがシリーズ原点のゲームであれば主人公をふくめて死ぬ展開が可能だ。雑誌連載で先が見えない原作小説も、メインに見えたキャラクターがあっさり死ぬ可能性が感じられる。
また、いったん篁唯依という少女を視点人物としてしまったため、ユウヤ・ブリッジスの作中における評価が納得いかない。周囲の環境に不平不満を撒き散らす主人公は嫌いではないが、そのような青年が諦めることのない立派な軍人と評されるのは違和感しかない。しかもアニメオリジナルキャラクターは殺せるため自己犠牲的な描写が多く、その対比で利己的に動いて危機を脱する主人公への嫌悪すらおぼえた。


せめて監督交代をするなら、いっそ佐藤英一監督を中心としたスタッフに一新すれば、敗戦処理なりに一貫したドラマを描いてくれたかもしれない。今さらながら残念に思う。