法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Rの法則』秋のアニソン祭り

NHK教育の十代向けサブカルチャーバラエティ番組で、4日間にわたってアニメソングが特集された。実際に現在に放映されて若いアニメファンに人気ある作品を集めていたところが、懐古的な民放のアニソン番組とは違うところ。きちんとアニメ映像も番組内で見せていた。


個人的には、アニソンを歌単独ではなく作品を構成する要素として楽しんでいるので、番組が最も楽しかったのは映像を特集した3日目。
紹介した作品の選択も悪くなかったと思う。フラッシュカット演出の先駆けとして『新世紀エヴァンゲリオン』OPと、少しずつ変化させる例としてED。作中のキャラクターがリズムをとるMTV的な演出に、有名な歌手が参加しているという売りを持つ『ZETMAN』OP。そしてフラッシュカットを初めとした最先端かつ最大公約数な作品として『ギルティクラウン』OP。この3作品を超える最近の名作は他に多数あると思うが*1、限られた番組時間でアニメOP演出の進歩を、一つの基準にしぼって見せるには悪くない*2
ついでに、偶然にも先日のエントリタイトルを否定するように、過去の名作として『カウボーイビバップ』のインストOPまで紹介されたことも面白かった。
アニメソングで特集されることがない傑作OP - 法華狼の日記


一方で、内容が印象深かったのは、アンケートで若者に人気のある歌詞フレーズをランキングした1日目。
1万年2千年前からの壮大な愛を歌った、真面目なようでけっこうバカアニメだった『創聖のアクエリオン』OP。憂鬱で退屈な日常を紛らわせたい少女がダンスして、視聴者の日常も楽しくさせた『涼宮ハルヒの憂鬱』ED。ボーカロイドの歌をニコニコ動画で公開していた作曲家による、届かない恋を饒舌に語った『化物語』ED。
時代が新しくなるにつれて人気が高まっていき、世界観が狭くなっていくという傾向が、時代を映していたように感じられた。もちろん一番組のアンケートに依拠して考えることは危険だし、あくまで思いつきにすぎないが。

*1:ノイタミナなら『坂道のアポロン』OPとか。ただ、後で菅野よう子を紹介するため、ここではsupercellを紹介したという意図は想像できる。

*2:私自身は、OPあるあるネタで走る映像として『STAR DRIVER 輝きのタクト』OP1期を思い出したり、斬新な映像表現として『ベターマン』OPを思い出したり、OPあるあるネタを排して成立させた『NARUTO -ナルト- 疾風伝』OPを思い出したり、どうしても見ていて極端なOPばかり思い出していた。