法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ブラックパワー・サリュートが注目されているので記事紹介

3年ほど前のエントリだが、オリンピックにおいて国旗へいかなる態度をとるかという話題の類例として情報がまとめられていた。
アメリカの愛国心、日本の?? その2: 過去のオリンピックでの例 - 遊蕩爺の漂浪メモ*1

9月10日付け 『アメリカの愛国心、日本の??』 の最後に 「--- 世界規模での競技会の表彰で選手が国旗から顔をそむけたらどうなるか、---」 と書いたところ、えまのんさんよりコメントとして、1998年開催の長野冬季オリンピックで金メダルを獲得した 里谷多英 (ウィキペディア) 選手が国旗掲揚のとき帽子を取らなかったことを例示頂きました。
私の曖昧な記憶を頼りに更に昔のことを調べてみましたら、1968年メキシコオリンピック陸上競技で、アメリカの黒人選手が表彰台で抗議を行ったことを思い出しました。

上記エントリで紹介されている下記エントリの内容が印象深い。
拳をかざせ/fist full of. (リック・タナカの「南十字星通信」)

白人であり,オーストラリア人であるノーマンは場違いなようにも見えます。

ノーマンは自分の腕こそあげなかったものの,二人の行動に同情的で,むしろ積極的に手を貸したのだそうです。ひとつしかない黒い手袋を分け合うように提案したのも実はノーマンだそうで、そうか,二人のアメリカ人選手は右と左,別な拳を突き上げているのは、そういう理由だったのですね。また、この写真では小さくてわかり難いのですが,お立ち台のノーマンはこのとき,アメリカの人権運動のバッジを胸につけていたそうです。

ノーマンのメキシコシティーでのタイム,20.06秒は38年間破られることがなく未だにオーストラリア記録です。それも,ものすごい名誉なことでしょうが,ノーマンにとってはスミスとカーロスの抗議に居合わせたことが生涯の誇りだったようです。

「拳をかざせ」というエントリタイトルの意味は読者のものでもある。自分がマイノリティである場合だけでなく、マジョリティに位置した時のふるまいについても、人間は選択する「自由」がある。


あと、理念に反する形式で運営がなされた場合、べき論で考えるなら理念を基準とするべきだろう。

*1:あくまで情報まとめとしての紹介であり、見解に全て賛同するわけではない。