法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『エウレカセブンAO』第十五話 ウォー・ヘッド(episode:15 humanoid secret)

前回から時間が少し経ち、敵シークレットが進化して活発になり、前回に見せたホーミングレーザー攻撃も標準的な攻撃手段となる。
板野サーカス戦闘が行われて、前作との関連性を感じさせつつ、シークレットが強力かつ知的になっていることを視覚的に示す。


シークレットとスカブの関係が実際は逆という、少し前から示唆されていた仮説は今回で確定。しかし仮説が正しくとも、スカブが発生させるトラパーに文明が依存している現状で、シークレットに味方することは難しい。
そこで今回、シークレットと機械を通してコンタクトするというSFらしい手続きの後、シークレットの目的を確認したゲネラシオン・ブル社長は、シークレットを殲滅する策を立てる。ここで冒頭の、仮説が正しいのか否か、正しいとしてもシークレットとスカブの善悪は人間側の評価で変化するという会話が、キャラクターの迷いを表現するにとどまらず、伏線として意味をなす。
コンタクトに成功した瞬間に相手の殲滅を決定するというクライマックスは、キャラクターの力強さで一種のカタルシスを生むにとどまらず、うまく定石をずらした意外性があった。善悪の逆転がさらに逆転する展開だけならば多くの前例があるが*1、いったんは敵味方関係が逆転することが多い。そこをキャラクターが迷わず突っ切ることで、物語の流れがよどむことなく全面的な決戦へ移行する。
以前に登場したガジェットを活用して、同時多発的に発生したシークレットを集める策はわかりやすく、絶望的な状況を整理して突破口を示す。次回への引きとしては充分だ。

*1:會川昇ストーリーエディターがシリーズ構成を担当した『機動戦艦ナデシコ』等。