法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『聖闘士星矢Ω』第 18 話 復讐の炎!蒼摩、因縁の闘い!

ここ最近に見た角銅博之演出で、最も良かった。東映以外ではノイタミナの『つり球』でもコンテマンとして参加していたが、どの程度まで色が出ているのかわかりづらかった。


帰郷した蒼摩が荒くれ者に囲まれる序盤は『ONE PIECE』のよう。小泉昇が作画監督なためか、荒くれ者のデザインもどことなく『ONE PIECE』風味がある。しかし、強弱をつけた馬越作画とも少し違う、ラフな線を重ねた描線に味わいがあり、独特の魅力があった。
そして遺跡に向かった主人公達だが、蒼摩がソニアに煽られて、一対一の勝負をいどむ。ここしばらく他のキャラクターの成長を示す踏み台として真っ先に負けてばかりだっただけに、重要な敵と単身で戦って伍する姿に、なかなか少年漫画らしい良さがあった。あまり作画枚数は使っていないが、荒々しい描線と、カット割りの呼吸で、映像にキャラクターの心情を描き出す。
ソニアが蒼摩一人を相手にする理由や、復讐心を利用する策にも説得力があり、制作者の都合で物語に歪みが出ていると感じることもなかった。キャラクターが増えているため、いったん蒼摩を舞台から退場させることも悪くはないだろう。