法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

本当は愛されていたという印籠を読者が欲しているといえばそれまでだが

元エントリの『NARUTO』評そのものは納得で*1、特に「別に最終的にナルトが里を守る側に転んでもかまわない」から展開していく物語は、それぞれ魅力的だ。
ブクマコメを読むと、ジャンプ漫画だからトラウマをつきつめられないのはしかたないという応答も散見されるが、それはエントリ冒頭の問いかけに返ってくる。
ナルトはなんで「下層の鼻摘みもんの孤児」じゃなくなったのだろう

一時期、

岸本斉史が登場人物のバックボーンを描くと

全部「子供の頃に親の愛情が不足しててさびしかった」になってたんだけど、

(ナルト、サスケ、ガアラは勿論、割と冷血悪党ポジションのサソリや大蛇丸すらそうだった)

更にその全部に「実は勘違いだよ、上手く伝わらなかったけど愛されてたんだよ」というオチがつく。

今週とうとうサスケの過去まで「実は両親にも兄にも愛されてたんだよ」で決着してしまった。

描き込めない題材ならば、なぜ延々とリフレインされるのだろうか。編集がそれを許し、人気も衰えないのだろうか。もうトラウマ語りはいいからと、原作の絵柄のように乾いた動機で戦う忍者大戦へ物語をシフトしてもいいはずではないか。
つきつめたら面白い漫画評ができるかもしれないので、元エントリの書き手に期待したい。


しかしブクマコメントをながめると、まるでid:kanose村長がナルトを見守る三代目火影みたいになっている……
http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20120704024333

id:kanose 漫画
“元増田は中学生(最高学年ですけど…)なのでギリギリ少年ってことにしてください”こんなTrackBackがついていてほんわかした 2012/07/04

最初についているブクマコメがこれだから、なんとなく後のブクマコメもどこかホンワカパッパ……

*1:ただ、『武装錬金』評については、伏線を引いて物語としては納得いくように繕っていたことをもっと評価してもいいのではないかと思う。