東原村のクズっぷりが五臓六腑にしみわたる。
あまりにクズっぷりが極まっていて、その滑稽な様子が笑えるし、いっそ人間らしくもある。しかし笑い話で終わらず、焼けた鉄をつかむという神事の悲惨さへ、雰囲気を崩さないまま転調する。その重苦しい内容から、さわやかな男達の作戦へさらに転調する流れも爽快感が高い。とんでもない騒動をくりひろげた二つの村が、明治時代になって合併したという字幕オチも見事。
シリアスとコメディが表裏一体だった歴史の影を通し、神にたよらず*1人が社会を動かすべきという教訓が、胸に落ちる。
*1:お上にたよらず、と言い換えても良いかもしれない。
