法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「売国行為やめさせよう」と主張して、自国における表現や言論の自由を攻撃するという売国

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120524/plc12052412150010-n1.htm

 東京で6月から開催予定の元従軍慰安婦をテーマにした写真展について、会場運営元のニコンが突然、中止を決めたことが24日分かった。インターネット掲示板には「ニコン不買運動をすべきだ」「抗議電話をして売国行為をやめさせよう」などと開催を批判する投稿が相次いでいた。

 ニコンは実際に抗議が複数あったとしつつ「中止理由は諸般の事情を総合的に判断して決めたとしかいえない」と説明。主催者は「一方的に中止を通告され、納得できない」と話している。写真展は名古屋市在住の韓国人カメラマン安世鴻さん(41)が企画。安さん側によると、戦後に中国に取り残された朝鮮人従軍慰安婦を撮影した38点の展示を昨年12月、ニコンに申し込み、今年6月26日〜7月9日に東京都新宿区の「新宿ニコンサロン」を使用する予定だった。しかし今月22日に突然「理由は言えないが中止になった。おわびにうかがいたい」と通告されたという。

不買運動や抗議運動も、それ自体は一種の表現や言論ではあるかもしれない。しかし、日本政府も国内外の歴史学者戦争犯罪と認めている歴史の表現を「売国」という理由でやめさせようとしているわけだから、この短い記事だけでも抗議側の理の無さは明らかだろう。
もちろん、いったん展示を認めた以上、ニコンは最低でも中止理由くらいは明確に答えなければならない。中止の妥当性を論じることとは別個に、現時点でもニコンに問題があるといわざるをえない。