法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『名探偵コナン 沈黙の15分』

TVで視聴。冒頭の爆破事件は3DCGを活用した視点移動と、なかなか出来のいい爆破エフェクト作画が楽しめた。
しかし物語展開は、偶然が集積しすぎで、あくまでプログラムピクチャーといったところ。一応はミステリなので、くわしい内容については、ネタバレを防ぐため続きを読む方針で。
ミステリとしては、とある登場人物の行動が、主要キャラクターとからみつつ真意を隠した描写のように見せて、さらに隠された真意があるという三重構造は良かった。
しかし主人公の推理は雑というか厳密さに欠ける。一応は不完全な的中でしかない展開なのだが、これならタイムリミットサスペンスとして描いて、情報が不完全でも推理せざるをえなかったという描写にすれば、傷がつかなかったのではないか。
それに、行動の規模に目的が見合っていない。あれだけの規模の爆弾を購入して使用して、とてつもなく刑が重くなるほどの罪を重ねて、たったあれだけの宝石が目的とか、バランスが悪すぎる。そもそも最終的にダムを破壊するなら、警備など怖れる必要はないだろう。むしろ爆弾を先に使用すれば足がつきやすくなるだけで、コナンに推理されてしまったように都知事の過去から連想されて警戒される危険性が増すだけではないか。これなら、電車に同情していた別の乗客が目標だったとかの方が、まだミステリ的に合理的ではあった。