法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『交響詩篇エウレカセブン : ポケットが虹でいっぱい』を追悼のため再見

『交響詩篇エウレカセブン : ポケットが虹でいっぱい』 - 法華狼の日記
ほとんどの感想は上記エントリで書いたが、青野武訃報を聞いたこともあり、見返してみた。
青野演じる老人は主人公の祖父として活躍したTV版と違い、校長先生としてクライマックスの後に登場するくらい。しかし、全地球的な津波に襲われている世界を目の前にして、苦しい現実を変えるため「夢」を見続けることを肯定する台詞には、さすがに昨年を思い出して感じいるところあり。セカイ系風の設定で展開されるボーイミーツガールでいると同時に、視野のせまい子供達とは別に大人や老人が世界を見つめて抗っている作品を象徴する場面であったと思う。
これに限らず、声優の長い語りにたよる演出が多く、映像の良さと支えあって効果をあげているところも印象深かった。TV版直後にパラレルな最終回としてイベントで上演された朗読劇の経験も生きているのだろう。長台詞にたよる物語は好きではないのだが、レイアウトの良さが独白への興味を保ち続け、画面への興味も持続した。この緊張感をたもったまま、新作『エウレカセブンAO』を監督してほしいところ。
エウレカセブンAO