これだけエフェクト作画が良くて、3DCGを使う場面がほとんど見当たらず*1、日常場面のアニメーションが省力気味という作りも最近では珍しい。1990年代末期から2000年代初頭にかけてのアニメに近いリソース配分。なんだろう、暗中模索で手探りしていた時代の空気が良くも悪くも感じられる。
相手が希望したとはいえ幼い少女に血を吐かせるような改造をほどこしたり、眼窩から流血するほどの犠牲を払って敵を退散させたりしたアクションが終わった後、能天気な「たのもー!」から始まるパロディ満載EDという物語展開も凄い。思いついたことを詰め込んでいったって、パロディと流血の順番は普通なら逆にするところだろう。しかし、このギャグとシリアスが混濁した展開もまた古い深夜アニメを思い出すところではある。
案外、TVアニメではなく青年誌連載のマンガであれば、普通の作品として受容されたかもしれない。
たとえば、唄いながら戦う演出もマンガなら気にならないだろうし。