http://oresen.sakura.ne.jp/2011/09/24/4253233457/
そんなわけでお話自体に期待はしてないんですが少なくとも1巻時点ではそれほど鼻につく感じは無かったすね。
原作からこんなでしたっけ?(読み返す気はない)
id:FTTH氏が峠比呂版コミカライズの連載序盤のレビューを書いていた。いわゆる「百合」への言及が多いFTTH氏が漫画家*1について強い印象を持っていないらしきところが意外とか、そういう話はさておいて。
物語の再構築という意味では、最初に引用されているキャプチャ画像が面白い。
「魔王を倒しに行った勇者だったけど、魔王が『人間社会より進んだ技術(等)を使って戦争をなくしたいと思っている』というのでとりあえず協力してみることにしたよ!」
みたいな話。
タイトルの「丘の向こう」ってのは「戦争のなくなった世界」の象徴さね。
そんなわけでお話自体に期待はしてないんですが少なくとも1巻時点ではそれほど鼻につく感じは無かったすね。
原作からこんなでしたっけ?(読み返す気はない)
たしかに原作でも、魔王が「丘の向こう」にあこがれをいだく場面は存在する。だが、冒頭から「丘の向こう」にあるものが醜いものであったり惨いものであったりする可能性は言及していなかった*2。それが明示的に言及されるのは、実際に「丘の向こう」を見にいく最終盤だった。最初から書き送りながらスレッドへ投下し、後から修正することができないという、2ちゃんねるSSの制約が生み出した問題かもしれないが。
いずれにせよ、魔王が実際に丘の向こうを見にいった行動と、その結果を具体的な絵にしたことはコミカライズの手柄だろう*3。あやふやだった動機が、子供時代からの個人的な思いとして、明確に形作られている。
私が原作に対して不満だったことのひとつが、美しいものを描く時に美しさを強調し、醜いものを描く時に醜さを強調するだけだったこと。醜いものが美しく見えてしまう葛藤や、醜く見えるものこそ美しいという逆説は、ほとんど存在しなかった。キャプチャ画像を見る限り、コミカライズは冒頭の時点で醜いものが美しく見える一瞬を切りとり、醜いかもしれないことを知りながら美しさを求める主人公を描いている。この点についてはコミカライズはよくできていると思われる。