『たかじんのそこまで言って委員会』でフジテレビデモが取り上げられたそうだが、それに関連して辛坊治郎キャスターがブログにおいて、左翼のデモについての不思議な歴史観を表明していた。
http://blog.livedoor.jp/sinbojiro/archives/50848207.html*1
私、ＶＴＲを見ながら、ある意味デモ参加者はエライなと思ったんです。何故かと言うと、多くの参加者が素顔を晒し、テレビカメラに映されるのを嫌がっている様子が見られなかったからです。当然、我が「委員会」も、デモ参加者の顔がはっきり分かる形で編集、放送します。
昔、左翼のデモに参加する人たちは、将来就職したり、結婚したりという時に、社会的な「傷」が残ることを恐れて、タオルで覆面をし、ヘルメットをかぶって参加するのが当たり前でした。実に卑怯です。
率直な疑問として、「昔」とはいつのことか、「左翼のデモ」とはどのデモを指すのか、このエントリからではさっぱりわからない。
まず、デモ活動を「はしか」と見なして卒業していった者達はいるだろうが、それと日本のデモにおいてヘルメットやマスクの着用が広く行われていった経緯は、同一ではないだろう。そもそもヘルメットは匿名性とあまり関係がない。
機動隊や右翼集団との物理的な衝突や*2、催涙ガスによる攻撃に対する防御という意味あいもあった。
また、不特定多数の人間が集中するデモは感染症リスクが高く、特に乳幼児らにはマスク着用の必要性がある。ちなみに今年6月に行われた反原発デモに対する議論でも言及されていて、問題の反原発デモでも乳幼児へのマスク着用の注意喚起がなされていたことが指摘されていた。
反原発デモとベビーカー参加 - 情報の海の漂流者
そして、たとえば「ベ平連」のデモについて写真を探せば、堂々と顔を出したものばかりが見つかる。
http://www.jca.apc.org/~yyoffice/Archive10-Sasebo1968.htm
http://www3.ocn.ne.jp/~f.go/photokan001.html
近年でも、歴史教科書から集団自決の強制性が削られた問題に対する沖縄県での大規模集会などを見れば、ほとんどの参加者は顔を隠していない。デモ参加者が顔出しをした大規模デモが珍しいというかのような主張は、誤った社会運動の記憶だろう。
それにしても驚くべきことに、この韓流拒絶デモについてかなり好意的に感じられる評価すら、主催者にとっては反論したくなる意見らしい。
pypypypypypypypypy — 先日「そこまで言って委員会」の収録で、例のフジテレビ前の「反、韓流デモ」を取り上げました。委員会メン...
どうやら『たかじんのそこまで言って委員会』本編で批判的な評価がされたらしい*3とはいえ、いくらなんでも自覚が足りない。在特会と連携していて刑事事件まで起こしている「チーム関西」が、フジテレビデモには大きくかかわっている。まさか公安警察が全く動いていないはずはないだろうに。
