これまで絵コンテを多数担当しつつも演出処理は東映の演出家にまかせていた山口祐司が、コンテ演出の両方をこの作品で始めて担当。レイアウトはそこそこでもアニメーションの面白味が薄かった過去の担当回と異なり、突出した場面こそないが芝居が細かくついており、映像に粗を感じさせなかった。
カット割りの間もよく制御されていた。冒頭のベタなギャグシーンも、シンプルなコンテだが楽しめる。
前回にひきつづいて物語をギャグ全開で楽しませてくれたことも嬉しい。前回の小技をきかしたバラエティある展開ではなく、ひとつのネタを強引に押し切るタイプなので、どちらが楽しめるかは好き好きだろうが、悪い出来ではない。馬鹿馬鹿しい猛特訓描写を最後まで見せたから、敵が脈絡のない登場をしても、オチとして許せる。
ただ、ハイキングで猛特訓というネタをやりたいなら、以前の30分で世界を救う回の次に放映すれば、なお楽しかったかも。
