何度となく最近に主張されている『サザエさん』の描写は、批判されるべきものとは全く思えない。宣伝というには描写が弱いし、作品の価値を損ねているとも考えにくい。
http://blog.livedoor.jp/funs/archives/51969707.html
390 ：風の谷の名無しさん＠実況は実況板で：2011/03/20(日) 19:13:51.82 id:y9cx347K0
さっきの放送で、花沢部屋のポスターにDBSKって書いてあるアイドル5人組のポスターがあった。
あれ韓国アイドルの東方神起（DongBangShinKi）の事なんだけど・・・。
誰かキャプ頼む。
2：名無しさん＠涙目です。(千葉県)：2011/03/20(日) 19:39:27.29id:Y08UamXc0
花澤なら仕方ない
8：名無しさん＠涙目です。(沖縄県)：2011/03/20(日) 19:40:30.00ID:6dMD5Pc50
まあ花澤さんだし
上記まとめブログが採用している書き込みのように、男性アイドルグループのポスターが部屋にあっても不思議ではない。キャラクターの性格からして自然な描写だ。むしろ、フジテレビが制作会社に指示して宣伝させようとしたなら、もっと明確に東方神起とわかる描写になったはずだ。
ついでにいうと、下請けの韓国スタッフが個人の裁量で描いたとは限らない。もともと『サザエさん』はスタッフを国内の自社スタッフでまかなっている比率が高い*1。基本的に美術監督も制作会社内にいるため、必要があれば修正することができる。
過去のアニメ作品では、『エスパー魔美』のアニメオリジナル回「俺たちTONBI」でも音楽バンドのポスターが登場した例がある。原恵一監督の好みでTHE BLUE HEARTSの音楽を使用したかったが断念し、背景でポスターを映したり台詞で言及するだけにとどめたという。映像ソフトではポスターもさしかえられることとなった。
俺たちＴＯＮＢＩ と ブルーハーツ ( その他テレビ ) - 高畑★ＳＡＮ 魔美的 偶然日記 - Yahoo!ブログ
原さんは、ブルーハーツを、すごく好きらしくて、
本当はブルーハーツの曲を使いたかったけど、断念させられたらしいです。
それで、「俺たちＴＯＮＢＩ」をビデオで取っておいたものを
自宅でブルーハーツの曲をかけながら見たらしいです。
１０・９イベントもトラブル無く無事に終了と思いきや、そのイベントで新たな問題が明らかになってしまいました。その問題とはDVD-BOX下巻に収録される第９６話「俺たちＴＯＮＢＩ」本編の一部に修正が加えられるということです。表現上の問題ではなく、この話の中で背景の一部に使われている、バンド“THE BLUE HEARTS”のポスターが権利上の問題から差し替えになるとのこと。
作品の監督がじきじきに脚本から絵コンテまで手がけた回において、このように版権問題にあらがってまで嗜好を反映させることもあるのだ。
そもそも「サブリミナル」がアニメ作品に宣伝として混入されているとは思えない。
ほんのわずか、人間が知覚できる限界の、短い一コマをはさむことで映像のニュアンスが変わる。それがアニメ表現の力ではある。静止画で切り出すと意味不明な絵を連ねることで、魅力ある動きを作り出す金田伊功作画が代表的だ。
■ガイキングオープニング 金田伊功の作画の進化: ★究極映像研究所★
わずか1コマ2コマの絵なので、通常の速度だけで観ていてもわからない。はっきり言って流してみていると何か凄くシャープなデザインの画面がダイナミックに動いているように感じられるだけで、何が起こっているのかは、通常の動体視力では感知できない。ただ脳のどこかはこれを感知して、恐ろしくシャープなデザインセンスを感じている。
しかしながら、あくまで細部を認識しづらいということであって、初期に報告された実験の実在すら疑われているような「サブリミナル効果」とは異なる。
末端のアニメーターが落書きを入れる場合もないわけではないが、その場合は録画をコマ送り等しないと気づかれないよう隠すものだ。以前に社会から問題視されたアニメ作品の「サブリミナル」も、よくある遊びにその時は超絶な絵を入れただけという見解が、とあるアニメ監督から出されている。
批判すべきことかどうかはさておき、いわゆる「サブリミナル」に大きな効果は期待されていないのが実態だろう。
そのような細部で宣伝せずとも、スポンサーの商品を主要登場人物の好物にした『コードギアス反逆のルルーシュ』のピザや、ヒーローが企業ロゴを身にまとう『TIGER & BUNNY』のように、堂々とした宣伝がアニメ作品で行われている。
http://www.tigerandbunny.net/link/index.html
自社宣伝では、ファミリーアニメに自社作品タイアップ回が作られることも珍しくない。
http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/contents/mini/backnumber/0011/top.html*2
『ジーンと感動する話』に“本人役”で出演してくれた、速水もこみちくん＆相武紗季ちゃんが、スペシャルゲストとして登場してくれたよ！ドラえもんと２人のトークを、ここで公開〜！
ドラえもんからのしつもん３ ★２人が共演している新番組『レガッタ』は、どんなドラマ？
速水：スポーツだけでなく、恋愛や友情もたくさんあるので、みどころのいっぱいあるドラマです。
相武：熱い青春ドラマなので、一緒に笑って、泣いてもらえるとうれしいです！
つまるところ、アニメの背景に目立たず登場した小道具が宣伝という解釈は、外れている可能性が極めて高い。宣伝したいなら、疑問符がつけられている怪しげな効果に期待せずとも、もっと目立つように描写すればすむのだから。
そして背景に映ったことが宣伝意図によるものだったとしても、他のアニメ作品に見られる宣伝よりもずっと認識しにくく、言葉の意味からして「ごり押し」とは呼べない。もし「ごり押し」に感じられるなら、描いた者の問題よりも、感じた者の問題が大きいだろう。
しかし困ったことに『サザエさん』の背景に映ったポスターは、フジテレビが韓流をごり押ししている根拠として流布され続け、「【フジテレビ】抗議デモまとめWiki」*3の「フジテレビの真実」項目にも一例として掲載されている。
中華民国台湾の真実
しかも「主催者インタビュー」によると、代表の動機として五本の指に入っている。
中華民国台湾の真実
代表者インタビュー（11：30〜）
■何故動き出したか
・サザエさんで東方神起のサブリミナルをしている
・フジテレビ会長の日枝が韓国からなぜか表彰させている
・日本で話題にもなった韓国の口蹄疫について一切報じないのは不自然
・もともと私はニコニコ生主だった
・もともとフジテレビの報道姿勢がおかしい（疑問ではなく）と確信している。
個人的に最後の「確信」だけは同意である。だからといって放送免許をとりあげるべきとは思わないし、おそらく「おかしい」と思う根拠や方向性は全く異なるだろうが。報道されない国外の問題は、別に韓国に限ったことではない。
「ごり押し」を批判したいなら「韓流」や「韓国」といった言葉とあわせて主張する時点で、自分自身をごまかしているに等しい。言葉づかいによって、自身の反発が何に対する興味によってなのかが、語るに落ちている。
ところで、つい先日に放映されたアニメ『日常』#21「日常の第二十一話」を見た時、背景にワンカットだけ興味深い店が映ったことに気づいた。
ニコニコチャンネルのコメントを表示してみると、予想通りの文字列も確認できた。
今度も無制限に敵を増やしていくか。それとも自分自身をごまかしながら特定の相手だけを敵視し続けるか。興味深く注視させてもらおう。
フジテレビへの不買運動が、韓国のスイーツで大爆笑の展開になったお！ - 法華狼の日記
*1:もちろん下請けにもある程度は出しているし、『アニメーションノートNo.04』によると背景美術は下請けの持ち分が多いとのこと。
*2:引用時、文字色変更等を排した。
*3:「想定問答集」項目で、「韓国人に対する人種差別・人権侵害だ」という問いを仮想して「韓国を過度に持上げ、日本人の成功を報じない行為は日本人に対する逆差別です」と答えたり、最後には「同じ日本人として恥ずかしいです。」という問いに「あなた本当に日本人ですか？」と答えたり、なんとも頭だけ隠したWikiである。http://fijidemo87.wiki.fc2.com/wiki/%E6%83%B3%E5%AE%9A%E5%95%8F%E7%AD%94%E9%9B%86
