法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『輪るピングドラム』STATION 02 危険な生存戦略

一人の少女を追う間に物語のジャンルが変転していく展開が濃密で面白かった。たとえば、デパートで命がけで何をやっているのかという問いに面白い動機があったところは、ミステリジャンルの楽しさを感じられた。映画『アメリ』を少し思い出したり。
シンデレラのように少女へ靴を返そうという目的を、他人に見えないペンギンという基本設定で導いた構成も巧み。チカンの注意喚起表示が意味を成したりと、電車内の描写は特に練られている。しかし、学校潜入後から靴を返すという目的が忘れられているのは微妙かな。タイミング的に返すきっかけが複数ありそうに見える。
あと、前回の結末描写は何だったのか。ペンギン帽子を受け入れる過程に尺をとらず、話を持ちこす間にすっ飛ばす方法論は悪くないが、それでも胸に手を突っ込む描写は無駄なハッタリに感じられる。まるで『少女革命ウテナ』の自己模倣ではないか。「生存戦略、しましょうか」の一言でEDへ一気に突入すれば、よりシャレていたと思うのだが。