「煽り」は問題視するべき場合があるとしても、嘘とは少し違うだろう。
原発反対を目的にした原発反対派の煽りや嘘は、きれいな嘘? - 【蝸牛の翅(かたつむりのつばさ)】
原発推進を目的にした東電や政府の隠蔽や嘘は、きたない嘘。
そんなわけ、ありませんよね。
そもそも原発は推進と反対が同等ではない。厳然として原発が存在して稼動している以上、同等の立場ではありえない。だから「隠蔽」は基本的に原発推進側しか使えない。
ゆえに「隠蔽」に対比するなら、ありもしない隠蔽を妄想する「陰謀論」が適切ではないかと思う。
だからこそ疑問なのが、下記三者を同列に扱っていること。
例えば広瀬隆。例えば、NPO原子力資料情報室。例えば、田中優。
これらの人たちって、今後の為に、正確な情報や展望を伝えてくれそうな人たちでしょうか。
「【参考】」として紹介されている検証で他の二者は具体的に言説の誤りを指摘されている。しかし、NPO原子力資料情報室に対しては誤謬が指摘されていない。ただの比較評価だ。
○NPO原子力資料情報室「第2回 福島原発に関する原子力資料情報室 記者会見」(3/13)
http://www.youtube.com/watch?v=iKWrX9tSLsw
※この人たち、何より重要な「何が危険なのか。危険性はどの程度なのか。その危険にどう対処するか」という情報の収集や発表と、政府や東電の責任追及や批判、どちらを重視しているように思えますか?
例えば、これら↓のまとめと比較してみて、どう思われますか?
■「原発に関するQ&A」
http://smc-japan.mirror.myapp.jp/
※東京大学理学系研究科の早野龍五教授(@hayano)が、ツイッター上で一般の方から寄せられた質問に回答した記録をもとに、有志が編集。
■「放射線は「甘く見過ぎず」「怖がりすぎず」 八代嘉美」
http://synodos.livedoor.biz/archives/1710889.html
政府や東電の責任追及や批判を重視していたとして、そのこと自体が何か批判されるべきなのだろうか。それぞれの個人や団体がそれぞれの目的意識で活動することは自由だろう。そもそも記者会見の動画一つでは、団体が危険情報の収集や発表を軽視していると判断する根拠として弱い。
どちらかといえば、別のエントリで紹介されているように、田中優氏も広瀬隆氏と同じく陰謀論者であること、それも911陰謀論という誤謬が幾重にも明らかとなっている陰謀論にくみしていることを指摘して、とりあえず2者を批判の俎上に乗せれば、より東電や政府との対比として自然になったのではないかと思う。
”悪いのは東電や政府,対案はバラ色の未来”まるで民主党みたい - 【蝸牛の翅(かたつむりのつばさ)】
田中優という人について少し検索してみると、映画『ZERO:9/11の虚構』という映画に対するこんな寄稿が。
「陰謀論という名の陰謀」
http://zero.9-11.jp/voice/voice_01.html
こんな文章を読んでしまうと、田中優の発信する情報って、かなり疑ってかかった方が良いだろうと思えますね。