事態が大きく好転したわけではないが、敵側で陰謀劇が進行していることを主人公側が推測して対処を考え始めたこと、前シリーズ主要登場キャラクターが求めていたアイテムを持って登場したこと、何よりその再登場キャラクターとの間でひさしぶりに楽しいバトルを主人公が行ったことで、かなり安心して見られる話になっていた。状況がつらいからこそ演出は明るくというバランスは、子供向けアニメとして良い判断だと思う。
主人公達が現代世界から放逐された経緯も、前シリーズ終盤で敵に協力していた人間社会中枢の策謀という説明で、予想された範囲ではあるが見通しがよくなった。
そして結末に明かされた魔族と人間の関係性。いかにも文明衝突SFらしい展開で胸が熱くなる。
一見して怪物ばかりのようでいて、魔族同士の共通点は人間そっくりというところや、人間と同じような知能を見せてきた過去描写は、真相が明らかになってから考えると絶妙。思えば人間女性と結婚をせまる魔族もいた。
これまで他の人間や魔族は気づかなかったのかという疑問も、少なくとも人間側が関係性に気づく機会は今回が初めてだったことが本編を見るだけでも明瞭。
きちんと前提を視聴者に認識させてから、シンプルかつ自然な手順でひっくり返す展開に、どんでん返しの面白味が素直に感じられた。
