法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

2010年で最も印象的だったアニメーター

大城勉。その実力は知る人ぞ知り、知らない人は参加回全体のひどさしか見えないためか、わざわざ誰も言及しないアニメーター。
アームスというエロ系アニメ制作会社や、『NARUTO -ナルト-』で定期的に原画として参加している。クレジットされないことも多いが、基本的に海外へ安く下請けに出した回で活躍しているので、一目見れば動きの質の違いがよくわかる。


そして2010年初頭の『NARUTO -ナルト-疾風伝』は、第386話と第387話を都留稔幸若林厚史がコンテ演出をそれぞれ担当、普段の回とは全く異なるクオリティが話題を集めた。
しかし前者は原作において数コマで終了した描写を1話分にふくらました繋ぎ話、後者は若手アニメーターががんばったものの背伸びしすぎて表現と作画が乖離した話と、それぞれ不満も残した。
そして主人公と最強の敵が決着をつける第388話、海外に下請けを出したために作画は目を覆いたくなる惨状だったところ、主人公の必殺技発動で大城勉作画が炸裂。あっさり普段通りの巧さを見せつけ、他の回と作画の雰囲気が乖離することもなく、デフォルメの効いた楽しいアクションを見せてくれた。


第386話と第387話しか見てない者が続けて見れば、いつも通りの環境で結果を出している大城勉に、感じるところがきっとあるはず。
いや、エントリタイトルの「最も印象的」という表現は我ながら誇張がすぎるものの、ベテランが手持ちの技術で軽々と若造をいなすような結果を出す姿が、もっとアニメ界にあってもいいと最近ちょっと思うようになったのだ。