同じ東映アニメーション制作の新番組で2週間後に放映開始する『スイートプリキュア』キャラクターデザイナーの高橋晃が、作画監督を担当。高橋晃が所属し、今回の制作協力をしているスタジオダブは、手の早いアニメーターを馬車馬のように働かせることで有名だが……
わりあい作画自体は整っていて、アクションは悪くない。冨田与四一は使いまわす予定のBANK原画のみにクレジットされているが、ネネのデジクロスBANKだけでなく、おそらく使いまわされない本編の表情作画も担当している。流麗な画風で美少女度が上がっていて、局地的ながら眼福だった。
物語全体では敵が占領した城への潜入劇。二手に別れていることで、敵の不意をつく作戦が、思いつきではない戦術として機能しているところが地味に良かった。
あえて主人公ではなく、デジモンを呼ぶ能力がないゼンジロウが潜入するところもいい。特殊能力は持たないお調子者だが、場を明るくしつつ努力して得た技能で最前線を戦う姿に好感を持つ。同じ三条陸作品の『ダイの大冒険』に出てくるポップを思い出させるキャラクター*1。同じように力不足なモニタモンズに足を引っぱられたりもして、意外と緊張感ある潜入行を楽しめた。