法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『クレヨンしんちゃん』「オラは過去を振り返らないタイプ。でもね!」クレヨンしんちゃん20周年スペシャル!だゾ

スピンオフヒーローアニメ『SHIN-MEN』が凄すぎる。
絵コンテ、演出、作画監督湯浅政明監督が担当。かつて『クレヨンしんちゃん』において大活躍し、ぶりぶりざえもんのキャラクターには脚本レベルで関わったアニメーターではあるが、当時から生き生きというより生々しくすらある作画で衝撃を与えた。そして初監督作品の映画『MIND GAME』以降は一般的なアニメと作家性あるアートアニメーションを横断している。
さらに原画では林静香や末吉裕一郎といった現在の『クレヨンしんちゃん』で最強の布陣に加え、若手アニメーターの沓名健一や、演出業へ移行しつつある平川哲生なども参加している。ただマンネリしつつある作品に新風を吹き込むというには、あまりに冒険しているスタッフ構成だ。嬉しすぎてリアルで鼻血を吹いてしまった*1
もちろん実際の映像もスタッフに名前負けしない内容。普段通りなキャラクターはもちろん、自然現象の作画から背景美術にいたるまで極限までディテールを削ぎ落とし、絵が動き色面積が変化するというプリミティブなアニメーションの面白味があった。念のため、動きのために線を抜いているというわけではなく、そのシンプルにデザイン化された世界そのものに絵として大きな魅力がある。いずれしっかり見返して改めて感想を書きたい。


他に今回のSP番組では、初回第1話の再放送も興味深い。
もちろん記念番組で初回を再放送することは他のアニメ作品でも珍しくないが、今回の『クレヨンしんちゃん』では副音声でキャストのコメンタリーを同時に流していた。TVアニメでは珍しい、面白い試みだと思う。

*1:いや、今日たまたま鼻炎のレーザー治療をしたことを忘れ、画面に夢中になって鼻をかんでしまったというだけなのだが。