今回はどれも記憶発言であり、自分自身の思い出すらきちんと調べなおしていない、狭い観測範囲の話。あくまで参考程度と考えてほしい。
http://d.hatena.ne.jp/uedaryo/20101121/1290309639
ただしこれまた耳に痛い指摘として、「日本の左翼は何かと『アジア重視』を言うが、そこで言うアジアとは中国・韓国のことで、台湾や東南アジアにまるで無知・無関心である」というのがある。私の印象でも、左翼は「侵略の過去を清算しないとアジアとの友好関係はない」と説いてきたが、台湾や東南アジアが「親日」のようだと知れるにつれ、それらの言説は色あせてしまった。
「左翼は国民党含む中国への罪の意識のためか、『国民党のほうがひどかった』という台湾人を素直に認めない」というのは、私個人がその通りだったからであり、だから「耳に痛い指摘」と書いたのです。
数年前に南京事件否定論が今よりインターネット上で有力視されていたころのこと。“もし南京事件が実在したとして、国民を守れなかった中国政府に責任はないのか?”という大意の主張をする否定論者がいた。
加害国の戦争犯罪否定論者の主張できることかと呆れつつ、市民を放置して首都を放棄した国民党軍にも問題があったということは本多勝一の著作でも主張されていると指摘したら、“国民党は共産党の敵だから当然”といった大意の主張が返ってきたことがある。
つまり、南京大虐殺に中国政府の責任を認めなくても、責任を認めても、どちらでも批判することができる論法を相手が使ったわけ。
上記の思い出は極端な話だが、ひょっとすると共産党を絶対視していると思われたくない左翼が、国民党を批判しにくくなるような局面もあったかもしれないな、と思う。あまり私は気にする性格ではなかったので、想像するしかないが。
あと、国民党も台湾への侵略者という意味では同じという見解が広まる前、右翼は国民党が支配している台湾を支持していたということもあったはず*1。韓国を支持していたことと同じように。いつの時期までかは、これもはっきり調べてはいないが。