法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハートキャッチプリキュア!』第40話 さよならサソリーナ…砂漠にも咲くこころの花です!!

サブタイトル通りにサソリーナが退場する。今回は予告詐欺ではなかったが、以前から何度も退場の可能性をにおわされすぎて、時期を逸した感も少しある。光の粒子となってしまう描写も古臭いし、主人公が長々と傍観して物語の時間が停止してしまう描写も好みではない。
また、次期生徒会長が内定しつつも*1浮ついた内心を知られて生徒会長に叱咤された佐藤は、砂漠の使途の幹部として失敗を続けて後がなくなったサソリーナと対比される存在と思うが、あまり物語で機能していない。サソリーナが一言でも佐藤と自身の共通点を語れば対比表現として成り立っただろうに、描くべき要素が多すぎて対比を明確にする余裕がなかったか。たとえば、佐藤は有能でも現生徒会長のライバルとして自身を位置づけ、何でも1人でやろうとするキャラクターと設定し、その心の花がサソリーナと同じだった……といった物語にすれば、放送時間内で相似性を明確に描けたと思う。


一方で、サソリーナが消滅した後の喪失感や、幹部達の距離感は良かったと思う。これまで心の花を枯らしたキャラクターが台詞で克服を説明されてきたことに対し、今回は言葉でなく映像で佐藤の回復を描いたことも印象に残る。
今回の演出は織本まき子。脚本時点の問題かもしれないが、細部の描写は良いのに、佐藤の存在意義のような話の骨格となる要素が機能していないところだけ残念だった。

*1:前生徒会長の支持が影響を与えるところ、学校内でも選挙のリアリティは社会と同じ。良くも悪くも。