法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『デジモンクロスウォーズ』第16話 黒騎士デジモン、参上!

悪役として行動しつつ、その悪役として共闘した相手からも裏切られ飲み込まれる少女ネネ。桑島法子ってこういう役ばかりだな……
前回に臭わされていたとおり、主人公達の味方として行動していたルーチェモンが真意を明かす。しかし監視していたシャッコウモンがルーチェモンの真実を明らかにするかと予想していたが、一気に傾いた世論を背景に手続きを簡略化してルーチェモンヘ権力を渡してしまう役割。ちょっとしたひねりで意外性を出しつつ、寓話としての面白味もある。ヘブンゾーンが過剰なほどの楽園であったのは、邪悪な力を封印するためという設定も色々と寓意が感じられる。
加えて、前述したネネの登場で事態が混迷していく展開が楽しめた。いったんネネ側がルーチェモンに協力したため主人公がピンチにおちいりつつ、全体としては敵側が異なる判断で動いていたため主人公側が逆転のチャンスをつかむという構成も悪くない。


表記が少し異なるが、大塚健が前回に続いてデジモン総作監補佐としてクレジット。市川慶一も総作画監督補佐としてクレジット。市川慶一は今回の作画監督でもある。この「総作監補佐」とは、実際に多くのカットへ目を通しているわけではなく、もっと変則的な作業を仕事として認めるための名義なのかもしれない。
しかし今回も作画自体は良かった。闘技場が崩壊する場面の破片作画や、終盤の空中戦からルーチェモンの変容まで、要所ごとに力が入っている。
他に、原画でアニメアールがクレジット。20年ほど前に綺羅星のごとくスターアニメーターを輩出した会社であり、それほどの勢いはないものの最近もロボットアニメやアクションアニメによく参加している。東映でクレジットされるのは珍しい。やはりそれなりに会社としても作画に力を入れているということだろうか。