法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「集団ストーカー」の誕生についてメモ

怪しげな健康食品販売で有名な『せと弘幸Blog』で、下記のようなエントリが2008年7月に書かれていたことをtakobue氏*1から教えてもらった。「集団ストーカー」という概念は先に存在していたが、その仮想犯罪集団がインターネットで広まり一部界隈で定着したきっかけの一つかもしれない。
せと弘幸BLOG『日本よ何処へ』:集団ストーカーと電磁波被害*2

 こちらのブログでは集団ストカーと電磁波被害問題について取り上げようと思います。
 この問題については、7月1日のブログに次のように書きました。


 今月は反創価学会の活動を再度計画しています。
1.東村山女性市議であった朝木明代さんが95年に何者かによって殺されたと思われる転落事件の捜査のやり直しを求める請願書を立川検察庁に提出します
2.創価学会の集団ストーカーの被害に遭われていると訴えておられる方々との面会・取材結果を公表し、その知られざる実態についてレポートしたいと思います
3.創価学会について語るシンポジウムの開催を予定しています


 1については、7月29日13時にJR八王子駅北口に集合し、そこで訴えを行ない、八王子地検に向かいたいと思います。
 2についてですが、この記事をUPしてから実に多くの方からメールを頂きました。残念ながらまだお会いまではしていませんでした。
 しかし今日、池袋の街宣活動終了後、この集団ストーカーや電磁波の被害に遭われている方々と会うことが出来ました。


 この問題については非常に分かりにくい部分があるのは事実です。集団ストーカーについても、何故脱会者にそのように執拗な嫌がらせを続けるのか?
 その点に関しては正直言って、いまいち分かり難さがありました。しかし、この集団ストーカーについては矢野元公明党委員長が長年、家族がこのストーカー被害に遭ってきた事実を明らかにしました。
公明党委員長の矢野氏曰く
「…私のみならず、息子夫婦、孫娘を正体不明の多人数グループによる監視・尾行がこの3年間ほぼ連日ございました…」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3774963
 公明党の委員長経験者が、公の場において長年、創価学会の集団ストーカー行為に悩まされてきたことを明らかにしたことで、この集団ストーカー行為が俄然注目されることになりました。

ここまではまだいい。実際に個人がカルト宗教や公安警察から監視されるということがないわけではない。東村山女性市議の転落死が創価学会の陰謀と見なされているが、犯人を名指しすることはともかく、事件性がないと結論づけた警察や検察の捜査に不信感をいだくことも、周囲の感情としてはありうるだろう。
しかし続く文章が驚くべき展開を見せる。

 そして今日、池袋でお会いした人達は、『特定非営利法人・テクノロジー犯罪被害者ネットワーク』のメンバーです。
http://www.geocities.jp/techhanzainetinfo/
 これは電磁波・超音波を利用した人的嫌がらせを受けている被害者のネットワークです。
 この電磁波被害については、これを一笑に付す人も世間には多い。
 しかし今、全国でこの被害を訴える人が急増しているのも事実です。  
 現在、この被害をまともに取り上げようとしている行政機関や司法当局はない。


 言葉は悪いが、一人でこの問題を訴えてもキチガイ扱いされてしまうのがオチなのです。
 現にそのことの悩みを訴えるメールを全国からたくさん頂いております。
 そのような中で、同じような被害に遭われていると実体験している人達が、このようなネットワークを立ち上げて呼びかけていることは大きな意味があると思います。


 この問題は信じていない人は頭から否定するでしょう。
 しかし、全国に多数の方がそのような被害に遭い、それを誰にも言えないで悩んできた現実があるのです。
 このようなネットワークを通して悩みを共有できるようになったことは素晴らしいことです。
 これもネット社会の一つの貴重な宝ではないか。
 同じような苦しみや悩みを持つ人達が互いに連携し、真相を追及するために立ち上がる。
 ネットがなければ、このような運動も起きることはなかったでしょう。


 朝木明代市議怪死事件の闇の解明に挑む、私にとってもこのような創価学会の集団ストーカーやテクノロジー攻撃は無関心ではいられません。
 8月に開催予定の「創価学会を考えるシンポジウム」では是非、皆様方の参加もお願いしたいと思います。

「電磁波被害」と「集団ストーカー」がどのように関係しているか、この説明からでは全くわからない。そもそも両者を結びつける文章が全く存在しない。全く別個の陰謀論が唐突に登場しているだけだ。
公明党委員長くらいの重職経験者なら組織的に監視されることもあるかもしれないとは思うが、証拠が不足した漠然とした話とも感じる。あまつさえ、組織的な監視の存在を訴える他の主張全てが同様の妥当性を持つかのような主張を展開されても、素直に受け入れられるはずがない。巨大な敵の陰謀と戦う自分に酔いたい瀬戸氏こそが、陰謀の存在を願っているのではないだろうか。
電磁波被害を訴えているというサイトを見ても、狭義の「電波系」*3としか感じられない。国会議員こそ出せていないものの仮にも政党である維新政党・新風の元副代表が、どのような世界観に生きているのか……このエントリを読んで、改めて考えさせられた。
もちろん末尾はいつもの愛国詐欺である。実体なき問題を考えるシンポジウムに使われるのでは、DVDを買った本人は納得していても詐欺と呼んで過言ではないだろう。

 前回、開催しました反創価学会シンポジウムの全編をまとめたDVDを編集しました。ご希望の方に販売させてもらいます。


 一枚1,500円とします。
 ご希望の方はブログの左上にある私の写真の名前(〓戸弘幸)をクリックして下さい。
 メールと口座番号が表示されています。
 尚、この売り上げは、次回の「創価学会問題を考えるシンポジウム」の費用に充てさせて頂きます。

いずれにせよ、2008年の新風といえば、2007年参院選の候補者全員落選を受け、祭りのように一定の評価をしていた界隈でも落胆や切断処理が始まっていたころ。強大な敵の存在を仮想しないと勢力後退が納得できないほどに追いつめられていたのかもしれない。


ちなみに、集団ストーカーを扱った書籍として、そのまま『集団ストーカー 盗聴発見業者が見た真実』というタイトルの書籍が「晋遊舎ブラック新書」というレーベルで2007年に出ている。基本的には集団ストーカーを妄想ととらえた内容らしい。
晋遊舎ONLINE
晋遊舎といえば、まともな書籍も出してはいるが、『マンガ嫌韓流』シリーズといった書籍を出版し、比較的に新風との親和性が高い。レーベルを同じくする「晋遊舎ブラック新書」からは桜井誠反日韓国人撃退マニュアル』なども出ている。現在でも下記のような書籍を出版しており、熱心な読者コメントが複数書き込まれている。
http://www.nihonjin-ga-shiranai.com/
マッチポンプというか、牛に支持されるのが上手な肉屋というか、商魂たくましいことである。

*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20101021/1287672871

*2:引用時、文字の強調を一部排し、いくつか行間をくわえた。

*3:先日、図書館の除籍本で入手することができた。本題とは関係ない話。