イケメンキャラの「秘密」には同じテレビ朝日系列で放映している別のアニメ作品を思い出す。まあまあ似合っているし、はっきりいってキザな台詞の方が見ていて恥ずかしいよ。美人姉妹の正体も、現実とはそんなものというか、当たり前だろうというか。
敵の能力で強制的にコスプレさせられる展開も、意図的にダサくさせられる仮装であって、いつもと異なるファッションを見て楽しむという趣向ではない。
……録画を消す直前に見返して、この種の生活感あるコメディとしては引っかかるところもなく楽しめたが、特に何度も見たいという出来ではないかな。いつも通りの内容。
少し面白かったのが作画。
新シリーズになってシンエイ動画に制作会社を移したが、OPスタッフを除いてほとんどが外注。しかし前シリーズと違い、シンエイ動画らしく確信をもって水準を統一した作画がなされ、それでいてカートゥーンらしく作画枚数を増やした動きが多く、良い意味で違和感がある。
煽りや俯瞰をほとんど用いず、アクションでカットを割らないコンテもカートゥーンらしい。カートゥーン風のビジュアルデザインで話題のTVアニメ『パンティ＆ストッキングwithガーターベルト』が俯瞰や煽りを多用し、アクションでも細かくカットを割っていることと正反対だ。比べて見ると、なぜ『パンティ＆ストッキングwithガーターベルト』がカートゥーンらしく感じないかがよくわかって面白い。
そして今回はBパート中盤辺りからCパートまで、地味に細やかな芝居がつけられており、サッカー作画も短時間ながら動きが良かった。小柄なスティッチと対比される敵の巨大感も出ていたし、人間が会話している背後でスティッチと犬が仲良くなっていく演出で遊んだ芝居も楽しい。今回のコンテ演出は橋本昌和で、鍋田香代子*1と中西彩が連名で作画監督をつとめた。作画監督はどちらも制作協力のM.S.Cに所属するアニメーターらしい。ちなみに、この3人は『ケモノヅメ』第9話でも主要スタッフとして参加している。
*1:『河童のクゥと夏休み』で相撲シーンを作画担当したとのことで、末吉裕一郎が賞賛していた。http://www.style.fm/as/13_special/mini_070806a.shtml
