法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

立場が変われば人も変わる、検察も変わる

久々に胸がすっとすると同時に爆笑できる記事だった。いやもちろん冷静に考えると全く笑えない話ではあるのだが。
http://www.asahi.com/national/update/1004/OSK201010040091.html

 大阪地検の前特捜部長らが部下の証拠改ざんを隠したとされる事件で、前副部長の佐賀元明容疑者(49)=犯人隠避容疑で逮捕=の弁護人は4日、前副部長に対する取り調べの全過程を録音・録画するよう最高検に申し入れた。佐賀前副部長は容疑を否認しているといい、弁護人は「密室での取り調べでは真相解明につながらず、社会を納得させられない」としている。

 弁護人は、秋田真志弁護士(大阪弁護士会)。秋田弁護士は申入書で「密室での違法・不当な取り調べによる虚偽の自白で、多くの冤罪が生み出されてきた」と指摘。録音・録画されていない状況で作成された供述調書は証拠能力がないとしている。申し入れは佐賀前副部長の意向も踏まえているという。

 最高検の調べに対し、佐賀前副部長と前特捜部長の大坪弘道容疑者(57)=同=に意図的な改ざんだったと報告した、と説明したとされる主任検事の前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=の供述について、秋田弁護士は「大きな変遷があり、信用性をめぐって取り調べ状況が問題になる」と指摘している。

欧米の探偵映画などでは、背後で糸をひいていた黒幕の存在を白日のもとに引きずり出して警察へゆだねる時、その黒幕が弁護士を堂々と要求したりする。その要求自体は妥当なのだが、皮肉な描写と感じさせることも確か。
今回の容疑者の態度は、さらに凄まじい。卑劣や矛盾という表現すら生ぬるい。村木局長冤罪事件の発生に関与したことが自身の容疑であるにくわえて、これまで警察や検察が容疑者との「信頼関係」を根拠に全面可視化を拒否していたことと考えあわせると、もはや道化だ。
まあ、今回の件を期に取り調べの全面可視化への道が作られるならいいことだ、と思うことにしよう。