法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HEROMAN』第25話 クライシス

京田知己がコンテを担当。実際には監督と連名だが、日常場面では縦PANを多用*1、アクションでは付けPANが多い空中戦と、演出家としての個性がよく出ていた。現在のOPコンテでも示されているように、さすがに派手な画面作り、広がりある空間の表現では卓越している。
作画監督は三輪和宏。見事な板野サーカスで予想したとおり村木靖が原画にいた。手足を伸ばして吹き飛ばされるジョーイといった金田伊功調にデフォルメ作画されたカットは、雨宮哲の担当だろう。


物語としては基本的に倒すべき目標へ一本道な展開だが、最前線の主人公達と陸や空から支援に向かう仲間達へ出番がわりふられ、飽きさせない。最前線の緊張感が増し続ける一方、陸の支援側はコメディチックに進撃し、空の支援側は陸へ降りて責任を果たそうとし、テンションが単調にならない。
電気エネルギーをヒーローマンへ与える支援方法や*2、ここに来てドクターミナミの技術開発力が主人公達の助けとなり、シリーズ各話で描かれてきた出来事が一つにまとまっていく気持ち良さもあった。

*1:そもそも地面の亀裂に落下したり、空中戦が行なわれたり、敵が塔のような形へ変化しているという演出外の事情はあるが、もし結果的にだとしても京田コンテの長所を引き出している。

*2:真空にしなくても、大気をイオン化すればいいと思うのだが。