法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』変身、変身、また変身/大氷山の小さな家

前後半ともに腰繁男コンテ演出。今回はひさしぶりに短編原作2作品を素直に短編アニメ化している。


Aパートは秘密道具で変身をくりかえすことで、様々なアクションが展開され、のび太のサイズ変化にしたがってカメラ位置が変わるところが映像として面白い。原作通りの全裸ネタが映像化されたことには良い意味で驚いたし、虫に変身した状態の主観映像などのアニメオリジナル描写も楽しい。
ただ、進化の説明は少し誤り。たまたま足が早かったり体が大きかったりしたものが生き残っていったという説明にするべきだった。


Bパートは時候に合った原作をチョイス。暑い日本から洋上の大氷山へ移動し、秘密基地を作って楽しむ展開が目にも涼しげだ。氷山を海中から見るカットで3DCGを用いている演出が目を引いた。
ただ、こちらのアニメオリジナル展開は首をひねった。のび太達は原作では珍しく楽しい気分のまま物語が終わり、全く違う方向からオチがつく。しかしアニメでは説教され、外出も禁じられる。しかし、のび太が特に悪いことをしたとも言い切れないのに、いつも通りのオチを迎えられては自業自得というより理不尽だ。せっかく珍しいオチなのだから、通常と変化をつける意味でも楽しいまま終わらせてほしかった。
氷を溶かして造形する秘密道具も、かざしただけで造形が終了するという描写に改変。ここは作画の手間がかかっても、造形を楽しむ映像を作ってほしかったところ。


あと、お絵描き企画「ここにもかけたよドラえもん」もひさしぶりにちゃんと絵を描いていた。……お絵描き企画で絵を描いている方が珍しいってどうなんだろう。