法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』第41話 超神星龍ジークヴルム・ノヴァ VS Xレア軍団

菊池晃作画監督で、やたらキャラクター作画が濃い。報道番組のアナウンサーなど、ちょっと少年アニメらしからぬリアルさ。しかし現実世界へ物語の舞台が移っているため、このリアリティ高めな絵柄が内容にはあっている。
大統領が人間社会の総意として異界王と単独で会見し、異世界の力を見せつけられる展開も面白い。空母の上に異世界の船が降り立つビジュアル、その船から燃料の臭いがしないことに驚く人々、握りしめていた草から異世界が幻でないことを確認する大統領……人間の細やかな実感を描きながら映像としての説得力がある。
大統領の独白や会議の風景から他国の意図が適度にうかがえることも、人間社会の動きを整理しつつ大統領のキャラクター性を示していて良かった。


しかし主人公と大統領が戦うようになるまでの展開は、やや拙速か。
大人の葛藤で戦う大統領に対して子供の正論で戦う主人公という構図は良いのだが、そもそも異界王へ大統領が協力しようとするまでの積み重ねがなく、前作ほどにバトルスピリッツが普及しているという描写もなかったため、いきなり主人公とカードバトルを始める大統領に違和感が強い。
たとえば今回の物語は前後編へ別け、今回は大統領が異界王にカードバトルで負け、次回の主人公との戦いへ繋がるという構成でも良かったのではないかと思う。ゲストキャラクターと敵ボスの戦いだけという展開は少年アニメとして難しいだろうが。せめて大統領の先祖と異界王が知りあいという描写を、大統領が篭絡される描写に繋げていれば良かったかもしれない。