法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「アベする」を証言したコラムニスト石原壮一郎氏の釈明について

首相交代記念! 今だから語れる事件の真相あの「アベする」騒動を振り返る | 石原壮一郎「大人のネットマナー教室」 | ダイヤモンド・オンライン
実のところ、この釈明で話は充分だろう。複数の使用例が広く見つかる言葉を「流行語」と表現しても、そう大げさな誇張とは思えない。
「おいおい、そりゃ大げさじゃないの」
えー、そうですか。うーん、そうかなあ。まあいいんじゃないですかね。エヘヘ


ところで私も「アベする」が流行した後、簡単に調べたことがある。
「アサヒる」を何に対して使うのか - 法華狼の日記

アサヒる」という言葉。個人的には朝日新聞の捏造と批判しているつもりで自滅する、という印象がつきまとって離れない。

「アサヒる」が生まれた状況について簡単にふりかえる - 法華狼の日記

結局、石原氏のコメントに対して有効だったのは捏造であるという反論ではなく、“ネットでは少ししか見つからない程度の流行にすぎない”といった反論だったろう。もっとも、そのような反論にどのような効果があったかというと疑問だが。

もちろん今も上記の主張は変わっていない。しかし、当時と少し違うところもある。

どちらにしても、はてなキーワードアベする」項目の“朝日新聞社が(石田壮一郎の発言と匂わせ?)「流行語」と主張する語句”は誤り。「匂わせ」も何も、最初から明確にコメントとして伝えているし、石原氏が自身のコメントではないと主張したとも聞かない。

はてなブックマーク*1経由で、現在のはてなキーワードアベする」を見てみた。
アベするとは - はてなキーワード

アベするあべする(一般)

1. 朝日新聞社が自らの論調に相容れない安倍首相(当時)を執拗に攻撃するために作り出した造語。
2. 「仕事も責任も放り投げてしまいたい心情の吐露」を表す。

オザワる
語句の由来

仕事も責任も放り投げてしまいたい心情を、内閣改造からわずか30日で辞職した安倍首相(当時)の行動に例えて表現された言葉として自然発生したという説と、朝日新聞社が自らの論調に相容れない安倍首相(当時)を執拗に攻撃するために作り出した造語という説がある。

 

なお、朝日新聞が掲載した2007 年9月25日より以前に、この言葉が流行していたかどうかについては、参考記事参照のこと*1。
関連

アサヒる及び川北隆雄も参照せよ。
参考記事

* [Di] 「アベする」(安倍する)から「アサヒる」(朝日る)へ……ネット発のスラングとなるか?
* 「アベする」は流行語?騒動 コラムニストブログ「炎上」
* 「アベする」捏造疑惑こそ捏造? 東京新聞コラムの説明責任

 *1:「アベする」という単語が見つけられる最も古い日付の記事は9月13日付という

完全に内容が嘘になっている。「アベする」を伝えた存在は朝日新聞だけとなり、「石原壮一郎」の名前自体がどこにもない。朝日新聞は「アベする」を伝えた存在であって、一応は造語したわけではないという事実を隠したいと思っているかのような記述だ。
なぜか中日新聞のコラムにおいて「アベする」の捏造疑惑を否定した川北隆雄氏へのリンクはあり、そこでの説明は比較的まともな内容となっている。
川北隆雄とは - はてなキーワード

川北隆雄かわきたたかお(一般)

中日新聞東京新聞論説委員

政府税制調査会専門委員。

専修大学非常勤講師


2007 年10月30日付の中日新聞夕刊コラム「一筆両談」を執筆。

安倍晋三首相の辞任直後、コラムニスト(石原壮一郎)が「流行している」として紹介し、インターネット上で「本当にはやっているのか?」と疑問を呈された「アベする」という言葉を

「一時、捏造疑惑も流れた」が、「コラムニストが紹介する以前に公の場で使われていることは明らか」「捏造疑惑の方こそ捏造の疑いが濃厚」と主張。この主張の是非に関し、再度議論を呼んだ。


ネットニュースサイト「J- CASTニュース」によると、同サイトが詳細を問い合わせたものの、コメントは断られたという。

http://www.j-cast.com/2007/11/01012839.html

コメントは勘弁して欲しい

2ちゃんねるではこの他に誹謗中傷や「中日る」といった言葉が大量に書き込まれ、11月1日昼時点でスレッドが8 本以上立てられる大きな騒動にまで発展している。「コラムニストが紹介する以前に公の場で使われていることは明らか」というくだりの真偽を確かめたくて、 J-CASTニュースでは、川北論説委員への直接の取材を試みた。しかし、勘弁して欲しいとのことで、コメントをもらうことはできなかった。

しかしこちらのキーワードにしても、当のJ-CASTニュースがコラム以前の「アベする」使用を報じていたことについて書かれていない。
それにしても「アベする」という言葉一つで、後にコラムで言及しただけでキーワードが作られるというのも、凄い光景ではある。


ちなみに、この騒動について報じている「やじうまWatch」も、これはこれで味わい深い記事だなと思う。
【やじうまWatch】「アベする」騒動を当事者が振り返るコラム、3年前と同様に叩かれる ほか - INTERNET Watch Watch
この記事の最後に載っていたので、改めてWikipediaの「アサヒる問題」を見てみたら、下記のような記述がある。

朝日新聞誤報・捏造

* 1950 年 - 朝日新聞伊藤律会見報道事件
* 1989 年 - 朝日新聞「珊瑚記事捏造事件」
* 1992 年 - 朝日新聞従軍慰安婦報道」
* 2002 年 - 朝日新聞中田英寿引退報道」
* 2005 年 - 朝日新聞NHK番組改変問題報道」
* 2005 年 - 朝日新聞新党日本記事捏造事件」

だからさあ、朝日新聞誤報や捏造に従軍慰安婦関連を入れるなよ。

*1:http://b.hatena.ne.jp/entry/diamond.jp/articles/-/8448のCUTPLAZA-Tomo氏のコメントで引用されている。