第60話は寺岡巌コンテ。とにかく巨大化したホムンクルスのビジュアルに圧倒される。絶妙な色指定で質感もいい具合に出ているし、巨人が月へ手を伸ばす構図も美しい。
錬成の光が大地を走る映像からは、OVA『ジャイアントロボ 地球が静止する日』*1も思い出す。
第61話は今一つ。ホムンクルスが消え去る重要な描写もあるが、全体的にバタバタと急いで消化したといったところ。プライドが消え去る展開は話数をかけただけの情感はあって納得できたものの、セリムが消え去る展開は意外なキャラクターの再登場自体が一つの御都合主義と感じてしまった。
地下から地上で移動する描写はキャラクターが多いわりにドラマと直接の関係が薄く、もっと削っても良かったと思う。
第62話は池添隆博コンテ演出。原画として連投している亀田祥倫が目立つ仕事をしていることはもちろんだが、西田亜沙子、中澤勇一、木村貴宏、近藤高光、桑名郁朗といった珍しい名前が多く参加していた。
回り込みでも作画が崩れないほど「父」が泰然としているAパート、変転をくりかえし主人公と生身の殴り合いを「父」が行うBパートと、作画の性質を変化させることで状況の変化を演出しているところが面白く、単純にアクション作画として見ても素晴らしい。
*1:原作が連載されていた当初、対価の必要性といった台詞回しから、父から子へ受け継がれる思いといったテーマまで、共通性が指摘されていた。