法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』第39話 全色激突! ホライゾンラダー攻防戦

同時に6つのバトルが行われる展開をどのようにさばくかと思えば、過程をていねいに見せるのは主人公ダンのバトルだけ。他のバトルは各色デッキの弱点や攻略法といった要点を押さえつつも、ダンが不利になる場面に合わせるように不利になったりと、主人公の状況を隠喩するにとどまる。考えてみれば当然の描写ではあるか。
ここで感心したのが、敵を人造的に量産された無個性なキャラクターとすることで、他色デッキのバトルでキャラクターがぶつかることなく、主人公のドラマに集中できる脚本構成。もともと今回の主人公と戦う敵が人造的に作られた存在であり、各色デッキで戦えることも以前の回で明示されている*1。それが量産されて各色デッキと戦う展開に全く違和感がない。
バトルで何がえられるかと主人公に問われた敵が、主人公に勝ったという誇りがえられると答えたことも、カード本来の楽しみを率直に描きつつ、作られた人形である敵のキャラクター性を浮き上がらせる、良い描写だった。
主人公のバトル自体も読みあいをていねいに見せ、アイキャッチも通常のものを合成して全キャラクター登場の特別版にしたりと、今回は細部まで楽しめた。