法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『東京魔人學園剣風帖 龍龍 外法編』視聴完了

作画アニメということは知っていて、インターネットで序盤を見たこともあるのだが、全体を通して見て圧倒された。一見の価値はある怪作。
コンテの手早い石平信司が監督ということもあって、相当量のコンテを監督自身が手がけているのだが、緊密に制御された作品というのとは少し違う。憶測になるが、名作とされる長期連載マンガのように、全体の構成を考えず書き送るようにキャラクターを大事にしながら物語を進めていったら信じられないような場所まで到達してしまった、といったところだろう。


とりあえず、髪の毛をツンツンとがらせた典型的な不良主人公が、物語が進むにつれて超人としても人間としても弱くなり続けるところが凄い。当初の予想されたキャラクターとは全く違う形で最終回を迎えてしまった。他の典型的なゲーム的キャラクターも、隠されていた弱さ愚かしさを発現させていき、一人の人間として埋没していく。しかしそれが必ずしも物語の弱さとは感じさせない……
若者達が超常的能力で戦い憎み殺しあう大きな流れの中で、認罪の旅に一つの話を使ったりもする。激しく誇張された寓話的世界観にありながら、世界の複雑さを複雑なままとらえようともがいている。


実は数ヶ月前に見終わっていたのだが、「まおゆう」と通底する部分を感じたこともあり、ここでメモしておく。いずれ考えをまとめて改めて紹介したい。アニメでいうなら『キャシャーンSins』が描いた、世界のままならなさにも通じているかな。