今回はアニメオリジナルのベガエンタテイメント回と、原作ありの動画工房回という、面白い比較ができた。
Aパートはアニメオリジナルだが、ブラックコメディな「のろいのカメラ」と、ジャイ子作のマンガを秘密道具を使って笑う「まんが家ジャイ子」を組み合わせた感じだ。おかげで藤子F作品らしさはあるが、逆にいうと目新しさも少ない。
しかし、名もなきゲストキャラクターが組み合わさってオチがつく展開は後味もよく、よく構成された脚本だと思った。意外性を出すなら、青年が恋人と仲違いした原因が受験失敗にあるという伏線はオチまで隠しても良かったかも。
Bパートは宮下新平コンテで三輪修作画監督。紐状の秘密道具「せわやきロープ」が変形して様々な事物を模造し、人間を助けるというビジュアル的な面白味を前面に出した原作を、ほぼ完璧にアニメ化している。せわやきロープがグーサインをする場面でオバケ*1を使っていたり、ローラーコースターの動きが自然だったり、観覧車で見下ろす町が美しかったり*2、なかなか映像に力が入っていて最後まで楽しめた。
無視されて真っ白になってしまうドラえもんも、原作とは少し違う描写だが、これはこれでひどすぎて笑えた。