法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

自称中立がらみのコメントを保存

長文で説明したのは、一重にplummet氏へ「自称中立」の説明をした時、簡潔に書こうとしたことが誤読をまねいたとの反省による。
ここであえて保存するのは、久間知毅氏がブログでtwitter発言の保存をしていることに対応する意図がある。
http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20100210/1265808406

hokke-ookami 2010/04/07 07:36

久間知毅さんへ
>この手の人たちは、「お前ら言ってること反転してるだけだぞ」とか「同じことやってるんじゃないよ」とかいう批判に対して、「自称中立」「政治ノンポリ」とかのレッテル貼ってしまうところが^^;

あの時に「自称中立」と呼ばれていたのは、私が知る限り、そのような簡単な経緯ではなかったはずです。

たとえば保守主義者を標榜するsk- 44氏は、下記のような意図で「自称中立」という言葉を使っていました。すでに「同情できない」と書かれたブックマークコメントは訂正されていますし、私自身の問題意識とは少し違いますが、参考までに。
http://d.hatena.ne.jp/sk-44/20090928/1254137203
>>とにかく、こういうバカなことやる連中は右も左も淘汰されるべきだけど。これだから「自称絶対正義」は。
>>ただ、自分から挑発しにいってるところがあるからな……。最悪なのは在特会だけど、被害者にも同情できないんだよ……
>「同情」とやらいう言葉に価値的な内実が仮に存在するなら(存在しないなら、つまり単なるhisamatomokiさんの感情的な放言ということなら結構)、それがどのような人でどのような行動の結果であろうとも、リンチに晒された人に対して「同情」するべきです。
>確かに「イデオロギーの左右」の問題ではない。「イデオロギーの左右」を理由に、リンチに晒された人に対して「同情」すらできなくなる、そのようなイデオロギーとその弊害の問題と思う。それをして、「妖怪どっちもどっち」と言い、「右でも左でもない」党と言い、自称中立と言う。

私なりの説明をするならば、あくまでid:toled氏が行ったことは「排外主義に反対です」という意思表示です。これは、たとえば東浩紀教授が「実際にぼくの授業に来て質問したらいいのではないでしょうか」と明示的に招待もしくは挑発したこととは全く違います。toled氏は在特会という集団への低評価すらその場では示さず、自身が反対しているという意図を明示しただけです。これが「挑発」なのであれば、久間知毅さんも、つけくわえるならばMukkeさんも、在特会という集団を批判しているという一点をもって「挑発」していることになります。
集団の面前に出ない「絶対安全圏」からの発言であれば「挑発」ではない……なるほど、それは理屈としてはそうかもしれません。それこそ当事者意識から逃れるという意味での「中立」のありようですが(http://b.hatena.ne.jp/entry/sillyfish.blog2.fc2.com /blog-entry-723.html)。
あえて強くいえば、個人情報を隠し通せなければ在特会へ批判できず、つまり暴力的排外主義者への批判は匿名や仮名でしか行えなくなります。そういうインターネットの状況を久間知毅さんは望んでいたことになります。
ついでに、久間知毅さんは個人情報に繋がりそうな記述をインターネットで出していないでしょうか。在特会がインターネットから居場所をつきとめリンチをくわえた時、久間知毅さんは自分へ「同情」が向けられないことを良しとするのでしょうか。

※なお、在特会は知る限り「正義」を標榜する主張をくりかえしていますが、「絶対正義」を標榜した発言は記憶にありません。できれば情報源をお願いします。
※もし、在特会が「絶対正義」を自称していなくても、近い心象を読み取って「自称絶対正義」と呼んだのであれば、「自称中立」という表現を用いること自体にも文句はいえないのではないでしょうか。

もう一つ、確かにブログの新しいエントリとしては政治に関わる記述は行っていないようです。しかしツイッターでの政治に言及した発言を記録し、新しいエントリーとする手法は頭が良すぎませんか。

hokke-ookami 2010/04/07 07:43

最後に、久間知毅さんとMukkeさん双方へのコメントです。
自称中立」以前に、そもそも「中立」という言葉の意味を理解しているでしょうか。

>(そういや,この件とは関係ないですが,宗匠に向かって「自称中立」とか言ってたひともいましたね)

宗匠」がplummetさんのことであれば、ちょうど本人もいらっしゃるので説明しておきましょう。ごく単純な日本語の話です。

まず、plummetさんのダイアリーからプロフィール欄を見てください。
http://d.hatena.ne.jp/plummet/about
注意してほしいのは、自己紹介のポリティカルコンパスのところではなく、「どんな勢力にも主体的に与しない」「誰にも寄り添わずどこからも距離を置く」という「ヲチャと似非ヲチャを隔てる壁」の説明です。「中心」もこの説明で出てきますね。

次に、大辞泉から「中立」という言葉を引いてください。他の辞書では類語に「中正」が出てきて説明が煩雑になるので、とりあえず「自称中立」という言葉の背景として最も手ごろでわかりやすい辞書を選びました。
http://kotobank.jp/word/
国の地位ではない意味として、「対立するどちらの側にも味方しないこと。また、特定の思想や立場をとらず中間に立つこと」という説明が出てきますね。「どんな勢力にも主体的に与しない」「誰にも寄り添わずどこからも距離を置く」「中心」が「中立」という意味に繋がらないとは、私にはとうてい思えません。
念のため、実際に引いてみればわかると思いますが、ここでの「対立」や「思想」は、右翼や左翼、保守や革新、リベラルやコミュニズムといった限定がありません。

もう一つ、下記エントリーの最終段落で言及した問題もあります。
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20091104/1257358552
>ここでのplummet氏の主な問題は、コメント欄で「ブクマエントリ周辺の流れからして福耳氏のことを言っているのだろうとは思ってたけど、やはりか」*4と書いて引用文への見解を言明しながら、いざその誤りを批判されると「リンク先を自分の目で見れば、読者はそれぞれの立場で情報を処理・判断できます。そこに干渉することは、俺の場合はありません」と中立的に文章を引用していたかのよう装った態度だ。

情報に対して中立の立場で紹介したという標榜と、評価を言明し自説の根拠にもした実態の乖離という意味では、狭義の「自称」ともいえるでしょう。
中立を自称していないと主張するエントリで、わざわざ新しく中立を自称した態度は、下記エントリーの主張から理由が推測できます。おそらくは「中立」という言葉から右翼左翼という対立構図しか発想できなかったゆえの誤謬です。

>俺は、自分の政治的な立ち位置を「保守」ないし「保守リベラル」と自称していますので、政治的な立ち位置の意味合いでそれ以外の呼ばれ方をすると、それは認識が間違っている、残念でした。としか言葉を持ち得ません。

ただし、少なくとも久間知毅さんやMukkeさんは私より勉強家ですし、plummetさんは文筆家を生業としていました。私の日本語把握が全く間違っているといえるだけの文法的根拠を持っているかもしれないということを、まったく頭の隅に置いていないわけではありません。
しかしながら、少なくとも「中立」という言葉が「保守」もしくは「保守リベラル」といった保守と革新のあわいにのみ適用されるという考えは、明らかに間違っていると考えます。

なお、当時に久間知毅氏を批判しようとして書きかけた文章に、「右でも左でもない」という発言引用があった。しかし当時の文章が全て消されていたため文脈が判然とせず、コメントで言及することは控えた。そのような発言をしたことがないと久間知毅氏がいうのであれば、ここのコメント欄に書き込んでいただければ幸いと思う。