作画監督はポール・アンニョヌエボとフランシス・カネダの連名。初作画監督のフランシス・カネダは、以前から作画監督をできるだけの実力はあったが言語の問題で原画に収まっていたそうだが、言語の壁をどうやって超えられたのだろうか。すでにポール・アンニョヌエボが作画監督しているので、彼を介してということかな。
作画は全体的に元気良く、やや荒いが、充分に物語を支えられる出来。アバンタイトルで人体の筋肉や関節を感じさせる作画があったが、これはもしかしたら馬越嘉彦の作画修正かな……
演出は志水淳児で、脚本は井上美緒。そつなく来海姉妹のすれ違いをまとめていたし、カリスマモデルの孤独な学校生活を台詞ではなく映像で見せきったのも素晴らしい。よりそう姉妹の心情を心の種で隠喩するラストカットも印象的*1。
戦闘でも、ミサイルを使って広い空間を感じさせるアクションが楽しめたし、壊れた建物内の暗がりにいるキュアマリンへキュアブロッサムが駆け寄る姿もドラマを反映した良いコンテだった。
デザトリアン化によって心の弱さがさらされることに対し、きちんと敵に説得力ある主張をさせつつ、正面から主人公が説得力ある反論をするという手順も素晴らしい。心の弱さとは、わかりやすい悪人が作り出すものでも、悪人を倒せば簡単に克服できるものでもない。そして、心の弱さを普通は簡単に見えるものではないし、他人がさらけだすべきものでもないのだ。
*1:隠喩が理解できなくても、心の種が得られて良かったという読みで良い終わりと感じさせる二重性が、また巧い。