法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ペタンコローラーでおひっこし/のび太の耳にタコができる話

録画予約したつもりだったが忘れていたらしく、あわてて起動したものの冒頭一分くらい録り逃した。


それはさておき、今回の作画監督は嶋津郁雄。「ペタンコローラーでおひっこし」はギターなどの小物が平面化するアニメート、「のび太の耳にタコができる話」は慣用表現が具体的な絵や音として表れる秘密道具と、絵の力が最重要な原作を破綻なくアニメ化していた。
ただ、ちょっとした複雑さすら排除されている語り口なのは気にかかったな。Aパートの「ペタンコローラーでおひっこし」はジャイアン従兄弟の身勝手さを強調するあまり、亜ジャイアン的な言動が増やされ、のび太たちよりは少し大人というニュアンスが抜けてしまっている。Bパートも「具象化鏡」という秘密道具をタイトルに使い、作中ののび太同様に意味がとれないゆえ印象に残っていたタイトルも、「のび太の耳にタコができる話」へ変更。しかも耳に動物の「タコ」ができるのはダジャレであり、慣用表現とは意味が違うのではという突っ込みもある。
どちらもシンプルな構成でありつつ通常と違うオチへ向かうことが要点であり*1、そこは外さずアニメ化していただけに細部で違和感があったのは残念。

*1:何しろ「具象化鏡」では、冒頭からのび太が珍しく勉強していたと語られ、終盤で会った先生から65点を取ったことを告げられるのだ!